快適からどんどん遠ざかる空の旅
年間ランキングでわかる航空会社の著しいサービス低下
ストレス上昇中 手荷物無料サービスを守ってきたジェットブルー航空もついに有料化へ Lucas Jackson-Reuters
旅客機の乗客同士が足元のスペースをめぐって喧嘩する事態が相次いだ昨年は、全体的にも米航空業界全体にとってひどい年だった。
今週公表された航空サービスの研究報告書によると、2014年には定時運航率が低下し、預けた荷物のトラブルが増加、さらに乗客が飛行機から降ろされるケースが増加するなど、航空会社の様々なサービスの質が低下した。
結果として、乗客10万人あたりのクレーム発生率は13年の1.13件から14年の1.38件に上昇。この報告書は、カンザス州のウィチタ州立大学などで作る研究グループが米運輸省の各種の統計を毎年集計してまとめている。
アメリカの12の大手航空会社のうちヴァージンアメリカ航空が3年連続でランキングトップに立ち、最下位はエンボイ航空だった。デルタ航空は前年より1ランク上げて第3位、ジェットブルー航空は2ランク下げて第4位。定時運航率が最も低いのはハワイアン航空、乗客のクレームが最も多かったのはフロンティア航空だった。すべての航空会社に関して、サービスの低下は「航空業界が好調な経済の恩恵を受ける中、乗客に悪印象を与えている」と、報告書は述べている。
この報告書では、航空会社のサービスが悪化して乗客の我慢が限界まできていることがデータで示されている。昨年、座席の足元のスペースをめぐって乗客同士が喧嘩になり、飛行機が目的地を変更する事態が相次いで発生した。喧嘩の原因はテーブルの位置を固定して前の座席をリクライニングさせなくする旅行用具「ニー(ひざ)・デフェンダー」で、ほとんどの大手航空会社は使用を禁止している。
かつては標準サービスだった座席指定や荷物の預け入れには、オプション料金が課せられている。さらに航空会社は、1フライトあたりの乗客数を増やそうと、シートをどんどん小さくしている。