コラム

【独自調査】全国の最新人気マンションが判明。第1位はあの場所で 瞬間蒸発 した

2022年12月07日(水)17時31分

都心部で工事が進むマンション建設地。このマンションも全国10位の人気に。筆者撮影

<移住時代にふさわしく、全国の物件も網羅。沖縄のたとえば億ションが人気の理由は?>

2022年7月から9月に販売されたマンションで、全国トップクラスの人気となった物件は都心立地で、価格に割安感が感じられるものが目立った。

人気度で全国1位となったのはザ・パークハウス広尾。東京都渋谷区内で、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩4分。有名な広尾ガーデンヒルズに近く、広尾商店街から1歩入った場所という便利さも備えるマンションだ。

その価格設定は、約43平米の1LDKから約122平米の3LDKで9200万円台から3億9000万円台。この場所としては価格が妥当と考えられたのだろう、後述する「人気指数」で驚くべき数値を出し、全22戸が極めて短期間に完売した。

驚異的な売れ行きを表す言葉として、2013年以降、私が使っている"瞬間蒸発"状態だった。

第2位は、パークホームズ本郷三丁目(東京都文京区)。こちらもJR山手線内側に位置し、バリバリの都心物件。といっても、価格には納得感がある。

パークホームズ本郷三丁目は43平米台の1LDKが6495万円からの設定で、71平米台の3LDKで1億2698万円。山手線内側としては妥当な価格水準で、それが高人気の理由だと考えられる。

続く第3位は、東京・大阪ではなく、北海道札幌市の物件。ブランズ円山裏参道テラスだ。札幌では、今年初めから札幌駅や狸小路に近く、地下街に直結した超高層マンションの注目度が高まっている。が、ブランズ円山裏参道テラスは、札幌中心地であっても、喧噪から一歩離れた住宅地域のマンション。以前から札幌の高級住宅ゾーンと認められていた円山エリア、それも高級な飲食店が集まる裏参道のマンションである。

その価格は、75平米台の3LDKが6580万円から......これも、「裏参道で、この価格なら」と納得できる設定である。

いずれも、立地のよさ、希少性の高さが共通する特徴。だから、世界情勢や経済の動きに不安を感じる人が多いなかでも注目を集めたと考えられる。

全国で195物件を「人気マンション」と認定

人気マンションは、11月21日、私のオフィシャルサイトで発表した全国新築マンション人気指数第3回で明らかになったものだ。

「マンション人気指数」は、全国の新築分譲マンションを対象に、2011年7月から調査を開始。毎年3〜4回公表し続けている私の独自調査データである。

今回調査では、今年7月から9月までの販売中マンションを対象に、資料請求数と販売センターへの来場者数を調べ、分譲戸数から「人気指数」を算出。指数「1」以上を「人気マンション」と認定している。その計算方法はオフィシャルサイトの記事中で説明させていただいたので、参照いただきたい。

マンション人気指数は、これまで経済誌や経済系サイトで発表してきた。調査開始から10年が経過した2021年から、そのリストを定期的に私のオフィシャルサイトで発表。今回調査では、販売中マンションで全国195物件が人気マンションとして認定された。

プロフィール

櫻井幸雄

年間200件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。・公式サイト ・書籍/物販サイト

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story