コラム

令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくなる?

2025年02月26日(水)14時30分

ですが、やはり個人の消費において、一般家庭の食卓に上るコメというのは、やはりジャポニカ米(短粒米)が理想です。これは、どう考えても譲れない一線だと思います。

では、どうしたら実現できるのでしょうか。何よりも、増えていく耕作放棄地をまとめて、大規模な米づくりを展開するということが必要だと思います。大規模化に加えてハイテク化を加速すれば、短粒米を普及品価格で出せるようにすることは可能と考えられます。もちろん、それでも短粒米がグローバル市場での人気が加速して、増産分も儲かるからと輸出に回ってしまい、結局日本国内の消費者は買い負ける可能性は否定できません。

そうならないように、最低限の経済成長をして購買力を確保しながら円の為替レートも守っていく、これは政治も財界も総動員しての重要な課題になります。日本人が日本米を食べられないような社会には、どう考えてもしてはならないと思います。短粒米が普通の家庭の食卓に上ること、これは譲れない一線だと思います。


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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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