タイの倒壊ビル、以前から問題指摘 中国国有企業子会社との合弁

28日にミャンマーで発生した大地震の余波で倒壊したタイの首都バンコクの高層ビルについて、タイの汚職監視団体の責任者は30日、反汚職当局から問題を指摘されていたとロイターに語った。倒壊ビルの現場で29日撮影。(2025年 ロイター/Patipat Janthong)
[バンコク 31日 ロイター] - 28日にミャンマーで発生した大地震の余波で倒壊したタイの首都バンコクの高層ビルについて、タイの汚職監視団体の責任者は30日、反汚職当局から問題を指摘されていたとロイターに語った。
建設中だった30階建ての高層ビルは、バンコクで唯一倒壊したビル。76人以上が、がれきの下敷きになっているとみられ、捜索活動が行われている。タイ政府は、倒壊の原因を調査すると表明した。
ビルはタイのゼネコン、イタリアン・タイ・デベロップメント(ITD)と、中国国有企業、中国中鉄の現地子会社の合弁会社が2020年に着工し26年完成予定だった。公共事業を監視する団体ACTの責任者によると、当局は今年1月、作業が著しく遅れているとして建設会社に契約解除を警告したという。
駐タイ中国大使は30日、原因調査に協力する方針を示した。
がれきのサンプル収集作業を主導するエーカナット工業相はロイターに、基準を満たさない鉄筋が使われた可能性があると述べた。同省は半年前から基準に満たない製品を製造する鉄鋼メーカーの取り締まりを実施しており、工場7カ所を閉鎖した。