コラム

バイデン「撤退」議論は、リアルタイムで進行中

2024年07月10日(水)14時00分

日程に関していえば、7月15日からはミルウォーキーで共和党の全国大会が開催されます。民主党としては、このときまでに戦闘態勢を固めるのが理想ですが、バイデン続投にしても、候補の交代をするにしても、当面は時間がかかるのは避けられず、ゴタゴタは続くと見られています。

ちなみに、代替候補を誰にするかという人選については、ここへ来てやはりカマラ・ハリス副大統領一択という声が大きくなっています。トランプとの討論では対等以上に戦えそうであること、2020年に副大統領として選挙に勝っていることの重み、そして現在バイデン陣営が蓄えている選挙資金は全て彼女との連名の名義になっており彼女であれば問題なく継承できるというのが理由とされています。


一方で、仮にバイデンが撤退する場合も、それは大統領候補から降りるという意味だけであり、大統領職を辞してハリスが昇任するという手続きは考慮されていないようです。バイデンの名誉を考えると、1期4年は「完走」する以外の選択はないという声が圧倒的です。

いずれにしても、候補交代のタイムリミットということでは、8月19日からシカゴで行われる民主党の全国大会になります。残り40日、バイデンの健康問題をめぐっては、日替わりで事態が動いていくことになりそうです。

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プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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