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選挙戦を再開させたトランプ、その「第一声」でスベる
1つ目は、良くも悪くも抑制が効いていたという点です。過去のトランプは、例えば当選の勝利宣言であるとか、白人至上主義者による暴力事件が起きたときなどがそうですが、まずプロンプターを使って側近の原稿を読むスタイルでコメントを出すときは「下品な言い方や、対立を煽る表現は抑制して、中道的、そして国内融和を志向した内容を語る」ことが多いです。
これに対して、間隔をあまり空けずに「ぶら下がり」式の会見や、選挙集会ではそれこそ反対派が激怒するような「ホンネ丸出し」の内容でコア支持者の歓心を買うようにしていました。
つまり本音と建前を分かりやすく使い分けていたのです。この間のトランプは、白人警官の暴力で殺されたフロイド氏の家族に弔意を示したり、平和的なデモへの賛同を口にしたり、建前の世界を中心に動いていました。そんな中で、「この夏最初のラリー」となれば「ホンネの毒舌満開」というパターンになる順番と思われていました。
ですが、形式だけはベランメエの放談口調で演説を進行させるなかで、目立った「過激発言」は出てこなかったのです。新型コロナウイルスに関して、中国を批判しながら「カンフー」とか「チャイナ・ウィルス」などと言った部分、会場の外で行われたBLMデモに関して「悪いやつらだ」と言った部分、それから「検査を増やすと患者が増えるので検査を減らせ」という部分......露骨な放談というのはそのくらいで、全体的に極めて穏健な内容でした。
結果として、演説の全体は2時間近くに及んだものの、散漫な印象を与えたように思います。特に、陸軍大学(ウェストポイント)の卒業式に列席した際に、600回も敬礼をさせられて疲れたというエピソードの部分では、ダラダラと10分以上喋ったのですが、漫談としても面白くなく、また体調不良報道への言い訳にしては苦しく、シャープさに欠けていました。
疲労感丸出しの姿を撮られる
2つ目は、体制に緩みが出ているという点です。まずイベントの開催前に、すでにイベントスタッフとSPの計6人にCPR陽性者が出ていたというのが気になります。トランプは、ここ数カ月「マスクを徹底的に拒否」する一方で、出張先でも自分は「ノーマスクゾーン」に入って万全を期していたのですが、その管理体制に一種の変調が起きているような印象があります。
また、この20日のイベント終了後、トランプは深夜にエアフォースワンとヘリを乗り継いでホワイトハウスに戻っていますが、その際に真っ赤なタイを外してトボトボ歩く、疲労感丸出しの大統領の姿を写真に撮られています。これなども、体制に緩みが出ている証拠だと思います。
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