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大混戦の民主党予備選、結局笑うのはトランプかも
知名度も人気もあるサンダースだが、もし当選したら大統領就任時には79歳という高齢 Andrew Kelly-REUTERS
<予備選に多数の候補者が出馬していることだけでなく、民主党は党全体で様々な問題をかかえている>
3月4日(月)、かねてより「民主党に鞍替え」して大統領選に出馬する意向を見せていたマイケル・ブルームバーグ前NY市長が、最終的に出馬を断念しました。またその翌日5日には前回候補だったヒラリー・クリントン氏も出馬しないと言明しています。
2人が「辞退」した動機は似通っているようです。民主党内では中道に属する2人は、同じく中道に属するとされるジョー・バイデン前副大統領との「予備選における票の食い合い」を避けたという解説がされています。おそらく、そのような計算があったのは事実でしょう。ただ、2人とも「トランプ政治を終わらせたい」という考えは強く、今後とも民主党の候補を支援するという意味では政治活動は継続するとしています。
では、これで民主党の予備選が単純化されるかというと、決してそんなことはありません。自薦他薦を含めると、20人とか、数え方によっては30人というような多数の候補の名前が出ているということもありますが、それ以前に党全体として様々な問題点を抱えているからです。
とりあえず、現時点での有力候補7人を挙げてみることにしましょう。数字は、政治サイト「リアル・クリアー・ポリティクス」が公表している、全国規模の世論調査の支持率の平均値です。(▲は出馬未表明、他はすでに立候補を表明)
・1位 ジョー・バイデン前副大統領(男性・白人・中道)▲ 29.3%
・2位 バーニー・サンダース上院議員(男性・ユダヤ系・左派) 19.8%
・3位 カマラ・ハリス上院議員(女性・ジャマイカ+インド系・左派)11.8%
・4位 エリザベス・ウォーレン上院議員(女性・白人・左派) 7.0%
・5位 コーリー・ブッカー上院議員(男性・アフリカ系・左派?) 5.5%
・6位 ベト・オルーク元下院議員(男性・白人・左派)▲ 5.3%
・7位 エイミー・クロブチャー上院議員(女性・白人・中道) 3.3%
このリストですが、順位も含めて問題点が3つあります。
1つ目は、上位の2人が高齢ということです。バイデン氏は76歳で仮に当選して就任すると78歳、サンダース氏も77歳で就任時には79歳ということで、これは、これまでの最高齢であるレーガン(69歳)とトランプ(70歳)の就任時よりも大幅に高齢で、1期目のうちに80代になってしまいます。
これでは、トランプサイドが「自分より6~7歳も高齢」だとして、健康不安キャンペーンを仕掛けてくると、本選では苦しい戦いになる可能性があります。それにも関わらず、高齢であるこの2人が高い支持率を得ているのは、今後の民主党の選挙戦を難しくしています。
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