- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 就任から9カ月、トランプ政権の現在地
就任から9カ月、トランプ政権の現在地
ティラーソン国務長官(左)との確執も取り沙汰されている Kevin Lamarque-REUTERS
<ハリケーン被害対応のまずさから支持率は低迷、国務大臣とは確執が続き、議会共和党との関係も良くない――就任9カ月を迎えたトランプ大統領の周辺はいまだに落ち着かない>
トランプ大統領が就任して約9カ月、最初の1年の4分の3が経過しました。トランプ大統領は、11月の初旬に日本、韓国、中国を含むアジア歴訪を行うと発表。大統領としての初来日になるわけですが、政権の現状はどのような状態なのでしょうか。
一言で言えば「切れ目なくスキャンダルが続いて」おり、「支持率も低迷」していると言って良いでしょう。
まず、9月に一旦は落ち着いたように見えた支持率ですが、ここへ来て急落しています。政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の発表している各種世論調査の平均値では、9月24日に一旦41.7%まで上がっていた支持率は、現在38.6%まで下がっています。40%割れという危険水域に再び入っています。
その原因は、ハリケーン被災地への復興対策です。今年は、大きなハリケーンがカリブ海とフロリダ、テキサスなどに被害を与えています。最初にヒューストンを襲った8月末の「ハービー」ではFEMA(アメリカ緊急事態管理庁)も機動的に動いていましたし、ホワイトハウスとヒューストン市の連携も取れていました。
ですが、9月20日にプエルトリコに上陸して甚大な被害を与えた、ハリケーン「マリア」の場合は、死者数こそ48に留まったものの、全島が長期に渡って停電し、今月10月末までの時点でも30%しか復旧できないだろうと言われています。さらに深刻なのは飲料水不足と伝染病で、米国領であるのに人道危機が現実となっています。これに対して、軍は1万3000人の要員を送って支援を続けているのですが、十分な効果が上がっていません。
これに対して10月3日には大統領が視察に訪れたのですが、民主党系のサンファン市長が大統領批判をしたことに腹を立て、「そもそも地方政府が破綻していたのが問題だ」と反論したり、「現在の政府の対応は素晴らしい」と自画自賛してみたり、異常な雰囲気のなかでの訪問になりました。
その後も、大統領の機嫌はおさまらず、「地元が感謝しないのなら軍を引き上げるぞ」などと毒づいてみたりしています。アメリカ大統領が、自国の被災地にどうしてそこまで冷酷になれるのかというと、まずコアの支持層は白人でありヒスパニック系のプエルトリコには差別意識があるのと、サンファン市長などの批判は「民主党の党利党略で言っている」と決め付けているからだと思います。いずれにしても、常識的なアメリカ人には決して愉快な話ではなく、この問題が支持率ダウンの主要な原因と言って良いでしょう。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員