- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- ライアンやマケインも敵に回し、ますます孤立するトラ…
ライアンやマケインも敵に回し、ますます孤立するトランプ
さらに、USAトゥデイ紙のインタビューでは「長女のイヴァンカ氏がセクシャル・ハラスメントを受けたらどう思うか?」と問われて、「その場合は転職を勧める」と答えています。これも、現代の基準からは保守的というより非常識な回答と思われるのですが、これに関してトランプの次男のエリック・トランプが「(姉の)イヴァンカはそんな弱い人間じゃない。そんな仕打ちを受けたら戦うだろう」と語っています。
そのエリックは別のインタビューでは、「(イスラム教徒の戦没兵士の遺族である)カーン夫妻に対して、父は謝罪していますよ」と、実際は謝罪どころか反撃を続けている父を「かばう(?)」発言するなど迷走しています。トランプ一家の内部でも様々な動揺が生じているようです。
さらにメディアからは、精神的な問題も含めて「トランプの健康状態には疑問がある」という報道が出る始末です。
民主党サイドでは、オバマ大統領があらためて「トランプは大統領職に相応しくない」という声明を出していますが、肝心のヒラリーは「問題から距離を置く」姿勢を取っています。これについては、静観しつつ相手の「自滅」を待つ作戦ではないかという解説がされています。
【参考記事】この週末にトランプ陣営が抱え込んだ5つのトラブル
とにかくトラブルが次々に出てくる何とも異常な状態ですが、世論調査もこうした現状を受けてヒラリー優位の情勢が顕著になっています。
(8月2日発表、NBC・サーベイモンキー調査)
■ヒラリー・クリントン・・・50%
■ドナルド・トランプ・・・・42%
(8月3日発表、FOXニュース調査)
■ヒラリー・クリントン・・・49%
■ドナルド・トランプ・・・・39%
FOXは元来が「アンチ・トランプ」ですが、それ以前から「アンチ・クリントン」でもあるわけで、基本的に保守層に強い局です。そこで10ポイントの差が付いたというのは、もちろん誤差があるにしても、この時期としてはかなり大きな差と言えるでしょう。
まだまだ「異常事態」が続くトランプ陣営ですが、本人は演説で「党内の団結は最高の状態だ」と語っています。もはやメディアでは、「トランプの頭の中は一体どうなっているのか?」とか「いきなり放り出す日も近いのでは?」といった、ほとんど末期的なコメントが飛び交っています。
環境活動家のロバート・ケネディJr.は本当にマックを食べたのか? 2024.11.20
アメリカのZ世代はなぜトランプ支持に流れたのか 2024.11.13
第二次トランプ政権はどこへ向かうのか? 2024.11.07
日本の安倍政権と同様に、トランプを支えるのは生活に余裕がある「保守浮動票」 2024.10.30
米大統領選、最終盤に揺れ動く有権者の心理の行方は? 2024.10.23
大谷翔平効果か......ワールドシリーズのチケットが異常高騰 2024.10.16
米社会の移民「ペット食い」デマ拡散と、分断のメカニズム 2024.10.09