- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- テロ捜査の地裁命令にアップルが抵抗する理由
テロ捜査の地裁命令にアップルが抵抗する理由
アップルのクックCEOはiPhoneのセキュリティが脅かされることをおそれている Robert Galbraith
アップル社はiPhoneなどに使用されているOS(iOS)のセキュリティに関しては、バージョンアップのたびに強化を進めています。例えば、現在のiOS9にバージョンアップする際、パスコードが6桁化されたというのは、その一例です。
そのiOSのセキュリティの高さを象徴するような事態が起きています。昨年12月にカリフォルニア州サンベルナルディーノで14人が殺害された銃乱射事件をめぐって、死亡した実行犯の1人であるサイード・ファルーク容疑者が保有していたiPhone(報道によれば「5C」だそうです)のプロテクトされている内容について、現時点でFBIは全面的に解明ができていないというのです。
報道の内容を総合しますと、FBIとしてはクリスマスパーティーの会場から、ファルーク容疑者が抜けだして「一旦帰宅し、武装して会場に戻るまで」の「空白の時間帯」の解明に、このデバイスの内容解析が重要だとしているようです。これに対して、アップルは必要なデータは提供したと主張し、その他にもSNSの運営企業や携帯回線の提供業者などがログの提供などを通じて全面的に協力しているそうです。
【参考記事】燃料電池車はテスラに勝てるか
ですがFBIとしては、「帰宅して襲撃を決定し、準備を行ったプロセスで外部と交信していた可能性、しかも通信ログからは容易に分からないような特殊なアプリを使い、特殊な暗号を使ってのコミュニケーションがあった可能性」などを考えているのでしょう。それならば、デバイスの中身を100%検証したい、しかも法的な証拠能力という点からも、アップルに依頼して得た間接情報ではなく、自分たちで解析したいという動機を持っているというのは理解できます。
そのために、FBIはカリフォルニアの連邦地裁に要請して、アップルに対する「命令」を出させました。詳細に関してはアップル側の主張しか報じられていませんが、それによれば、FBIは押収したiPhoneに対して自動生成したパスコード候補を入力し続けた結果、「10回の誤入力により自動的にデバイスがロックされた」らしいのです。
そこでFBIが要請したのは「自分たちが高速なマシンでランダムに生成したパスコードを、ヒットするまで無限に入力できるようにして欲しい」ということで、アップルによれば「現在はまだ存在しないiOSの別バージョンを作って、このデバイスだけロック解除がされるようにせよ」というのが、地裁命令の内容だというのです。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員