コラム

共和党候補カーリー・フィオリーナの政治的資質

2015年10月02日(金)16時35分

 そんなわけで、保守派として相当に右のポジションに立ち始めており、その様子が「コワモテ」の物言いも含めて「サマになってきた」彼女ですが、例えばHP時代に「令状なき国民への盗聴行為、ネット検閲」に協力したのではないかという質問に対して、「その通り。国民をテロから守るために私は正しいことをした」と回答するなど、相当に筋金入りになってきています。

 フィオリーナの「なりふり構わぬ」姿勢を見ていると、手段は選ばない(?)が理念やビジョンは依然として意識しているヒラリー・クリントンが「クリーン」に見えてくる――。そのぐらいにフィオリーナの「勝ちに行く」姿勢、あるいは「負けたくないという渇望感」というのは強烈です。

 このように、21世紀の複雑な世界におけるアメリカ大統領としての資質には相当に疑問が残るわけですが、今後の予備選においてはこのフィオリーナが、トランプ同様にかなり情勢を「引っかき回して」いくことは間違いなさそうです。

プロフィール

冷泉彰彦

(れいぜい あきひこ)ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。

最新刊『自動運転「戦場」ルポ ウーバー、グーグル、日本勢――クルマの近未来』(朝日新書)が7月13日に発売。近著に『アイビーリーグの入り方 アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』(CCCメディアハウス)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」(www.jmm.co.jp/)を連載中。週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」配信中。

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