- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 2020東京五輪の「テーマ」はどうして知られていな…
2020東京五輪の「テーマ」はどうして知られていないのか?
ヘンリー教授は、勿論この「スポーツ・フォー・トゥモロー」の政策に関しては高く評価しているのですが、では、どうしてこうした本格的な政策が、日本国内にもたらす効果は限定的と考えられるのでしょうか?
例えば、スポーツマネジメント大学院の設置は素晴らしいことです。ですが、現在のところ、例えばアメリカやヨーロッパの大学や大学院でスポーツマネジメントを専攻して学位を取得してきた人材に対して、日本の国内のプロもしくはアマの指導者となるキャリアパスは極めて細いのです。
アマの世界では、スポーツ指導のプロよりも教員が指導者を担う現状があり、プロの世界ではオーナー企業や過去の名選手が権力を持つヒエラルキーがある中で、大学院で国際的な専門ノウハウを学んだ人材は活かせていないのです。今回のTIAS設置という「画期的な話」が、そうした問題の打開につながることには大いに期待したいのですが、日本国内のプロとアマにおける、マネジメントの底上げという具体的な成果に結びつくには、相当に時間がかかると思われます。
アンチ・ドーピングの普及というのも重要な課題ですが、一方で日本では熱中症スレスレの環境で中高生に練習や試合を強いるなど、健康のためのスポーツがかえって健康を損なうような非科学性が国内には残っています。予算をかけて、日本の若者が世界でアンチ・ドーピングのノウハウを教えて回ることが、こうした国内のスポーツ医学知識の底上げになるかというと、そこにもあまり関係性は見出せません。
途上国に体育館をというのも美しい話ですが、では国内の事情はどうかというと戦後ずっと向上してきた子供の運動能力は、1985年ごろから低下を始めているのです。つまり子供の体育教育という問題について、日本国内では「成熟国家タイプの問題」に直面しているわけで、その一方で相当な予算を使って「途上国タイプのアプローチ」を世界に普及していくというのも、少々バランスに欠けるように思います。
「スポーツ・フォー・トゥモロー」という政策そのものは、大変に素晴らしいことであるのは間違いないのですから、もっともっと日本国内でもPRをして欲しいと思います。その延長上で、この活動が日本国内のスポーツ振興にも回り回ってプラスになるように、今一歩の踏み込みをした政策立案をしていただきたいと思います。
2020年の招致ができた、しかも国際社会から評価されている、というだけでは、あまりにも「もったいない」政策です。
ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険 2025.01.15
日鉄はUSスチール買収禁止に対して正々堂々、訴訟で勝負すればいい 2025.01.08
日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落 2024.12.25
日産とホンダの経営統合と日本経済の空洞化を考える 2024.12.18
医療保険CEO銃殺事件が映すアメリカの現在 2024.12.11
二期目のトランプと「現実世界」を繋ぐのは誰か? 2024.12.04
日本とアメリカの現状否定票、その共通点と相違点 2024.11.27
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員