Picture Power

【写真特集】太陽光パネルと自然が問う「共生」

LISTEN TO THE VOICES OF THE SHINING FOREST

Photographs by Yoshiki Hemmi

2025年03月18日(火)21時46分
再生可能エネルギー

緯度 35,53.77539N 経度 138,29.0969633E 撮影日 2022.8.14 撮影時刻 18:11:14

<太陽光パネルが飲み込む自然環境。写真家・逸見祥希が提示する、再生可能エネルギー開発の現在地>

 幼少期に遊んだ公園や雑木林が、太陽光パネルに埋め尽くされた。写真家の逸見祥希は、故郷の無機質な景観を前にして、原風景を失った痛みと、再生可能エネルギー活用への理解との間で揺れた。

 これを機に逸見は、日本一の日照時間を生かした太陽光発電開発を進める山梨県北杜市に赴いた。上空から捉えたのは、大量の太陽光パネルと、自然や集落が隣り合う光景。写真集『光さす杜の声を聴く』(青幻舎刊)では、真上から撮った記録と審美性の高い風景の2種類の写真が並ぶ。

 逸見は大学院での研究のために、現地住民への聞き取り調査も行った。地球環境の保全という大義の下で進む開発だが、これらの人工物は、本当に環境に優しく持続可能なのか。逸見の写真を見た地元住民の反応はさまざまだが、写真を介することで、開発に対して異なる意見を持つ住民たちの間に対話が生まれた。

 研究者、記録者、表現者。複数の視点が生み出す逸見の写真は人々をつなぎ、再生可能エネルギー開発との共生を模索する対話の道を開く。

Photographs from "Listen to the voices of the shining forest" by Yoshiki Hemmi, published by Seigensha Art Publishing, Inc.

書名:『光さす杜の声を聴く』<br />
著者:逸見祥希<br />
アートディレクション:橋詰ひとみ<br />
言語:日英併記<br />
判型:A4変<br />
総頁:96頁<br />
製本:並製<br />
定価:4,950円(本体4,500円)<br />
ISBN:978-4-86152-980-1 C0072.jpg

書名:『光さす杜の声を聴く』
著者:逸見祥希
アートディレクション:橋詰ひとみ
言語:日英併記
判型:A4変
総頁:96頁
製本:並製
定価:4,950円(本体4,500円)
ISBN:978-4-86152-980-1 C0072


再生可能エネルギー

<写真1>*写真説明は2ページ目をご覧ください


再生可能エネルギー

<写真2>


再生可能エネルギー

<写真3>


再生可能エネルギー

<写真4>


再生可能エネルギー

<写真5>

<次ページに続く2へ>

 【連載20周年】 Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」
    2025年3月25日号 掲載

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=小反落、ダウ155ドル安 関税巡る不

ビジネス

ユナイテッド航空、第2四半期見通し予想下回る 景気

ワールド

米、メキシコ麻薬カルテルのリーダーに制裁 情報提供

ビジネス

NY外為市場=ドルが対ユーロ・円で上昇、関税巡り慎
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 2
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ印がある」説が話題...「インディゴチルドレン?」
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 5
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 7
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    そんなにむしって大丈夫? 昼寝中の猫から毛を「引…
  • 10
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 6
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 7
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 8
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story