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【写真特集】アフリカの遊牧民に迫る過激派の影
NOMADLAND
Photographs by PASCAL MAITRE
マリのフラニ族の牛飼いが夕方、家畜を町へ連れ帰る。過激派を恐れ、この地域で遊牧を営むフラニ族のほとんどは都市部で夜を明かす
<遊牧民の伝統的な生活が成り立たずに困窮する若者たちは、過激派組織の勧誘に吸い寄せられていく>
アフリカのフラニ族は、主にサハラ砂漠南縁部のサヘル地域を構成する15カ国に住む。その人口約3500万人のうち3分の1は牧畜をなりわいとしており、世界最大規模の遊牧民共同体を形成している。
フラニ語を主に話し、多くがイスラム教を信仰するフラニの環境は近年、激変している。気候変動や人口増大による砂漠化の拡大、干ばつでサヘルの放牧地が縮小。かつては共存関係にあった農耕で暮らすドゴン族やバンバラ族など周辺民族と土地をめぐる軋轢が増え、民族間抗争の様相を呈している。
加えてサヘルではイスラム過激派の勢力も台頭している。伝統的生活が成り立たず困窮し、アイデンティティーを失ったフラニの若者がアルカイダ系やイスラム国(IS)系の過激派組織の勧誘に吸い寄せられており、地域の不安定化に拍車をかける。
年に1度、ニジェールで行われる祭りでの美少年コンテストの伝統を守る一方、過激派と接近して武器を取ることをいとわずサヘルの中で疎外感を深める――。そんなフラニの人々を、フォトジャーナリストのパスカル・メートルが3年にわたり取材した。
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