Picture Power

【写真特集】「人間」を伝え続けたカメラマン、アフガニスタンに死す

THE FACES BEHIND A STORY

Photographs by DANISH SIDDIQUI

2021年09月04日(土)16時00分

アフガニスタン南部カンダハルでタリバンとの戦闘中、民家捜索で警戒の目を光らせるアフガン特殊部隊員。報道写真家ダニッシュ・シディキの最期の作品の1枚になった(2021年7月12日)

<報道カメラマンのダニッシュ・シディキは、アフガン特殊部隊とタリバンの戦闘を取材中に銃撃戦に巻き込まれて死亡した>

アフガニスタンで反政府勢力タリバンが政権掌握を前に着々と各地を制圧していた7月、アフガニスタンから伝えられる報道に、悲痛なニュースが加わった。報道カメラマン、ダニッシュ・シディキの死だ。ロイターの記者シディキはパキスタンとの国境付近でアフガン特殊部隊に随行し、タリバンとの戦闘を取材中に、銃撃戦により殺害された。

アフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領(当時)は直後に、「衝撃的な知らせに深く悲しんでいる」とコメントを発表した。

インド出身のイスラム教徒であるシディキは、2010年からロイターのカメラマンとして活動。世界各地の紛争、暴動、混乱の瞬間を写真に切り取り、人々の苦しみに寄り添って伝えてきた。18年、ミャンマーの迫害を逃れる少数民族ロヒンギャを撮影した報道写真でピュリツァー賞の特集写真賞を受賞した。

「ニュースの裏の『人間の顔』を捉えることを最も楽しんでいる」と生前語っていたシディキの作品は、伝え手亡き後も真実を語り続ける。

ppcamera02.jpg

迫害を逃れ、ボートでミャンマーから隣国バングラデシュにたどり着いたロヒンギャ難民女性が疲労で岸に手をつく。この報道でシディキのチームはピュリツァー賞を受賞した(2017年9月11日)


ppcamera03.jpg

2019年6月から反政府デモが続いていた香港で、抗議デモの参加者約80万人が通りを埋め尽くす光景を捉えた(2019年12月8日)


ppcamera04.jpg

北朝鮮の首都・平壌で建国70周年の祝賀行事として金日成広場で行われた「たいまつの行進」を撮影。一糸乱れぬ隊列を写真に収めた(2018年9月10日)


ppcamera05.jpg

イラク北部のモスルで過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘中、前線の家から外をうかがうイラク対テロ部隊の戦闘員(2017年5月15日)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、米に代表団派遣へ 鉱物協定巡る米の新提

ビジネス

株価さらに20%下落も、既に米景気後退の見方=ブラ

ワールド

NZ企業信頼感、第1四半期は改善 企業なお慎重=シ

ビジネス

関税巡り企業から強い懸念、FRBはハードデータ注視
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story