最新記事
トランプ関税

トランプ大統領が中国に「追加関税」警告、EUは「報復措置」提案...貿易戦争激化、市場の動揺続く

2025年4月8日(火)08時35分
トランプ米大統領、メリーランド州のアンドリュース空軍基地で

トランプ米大統領の相互関税を受けた世界的な貿易戦争が4月7日、一段と激化した。6日、メリーランド州のアンドリュース空軍基地で撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)

トランプ米大統領の相互関税を受けた世界的な貿易戦争が7日、一段と激化した。トランプ氏は中国への関税をさらに引き上げると警告。欧州連合(EU)は独自の対抗措置を提案した。

トランプ氏が2日に貿易相手国に対する包括的な関税措置を発表して以降、リセッション(景気後退)懸念が高まり、世界の金融市場に動揺が広がっている。


トランプ氏は、中国が対米報復関税を撤回しなければ、9日から中国に対し50%の追加関税を課すと表明した。

中国は先週、米国の相互関税への対抗措置として10日から全ての米国製品に34%の追加関税を課すと発表していた。

トランプ氏は7日、相互関税が数十年にわたる貿易自由化で衰退した産業基盤を取り戻すのに役立つだろうと指摘。

ホワイトハウスで記者団に対し、「これはわが国が状況を一新できる唯一のチャンスだ。なぜなら、私がやっているようなことをする、あるいはそれを経験する意欲のある大統領は他にいないからだ」と語った。

一方、EUの執行機関である欧州委員会は7日、トランプ氏による鉄鋼・アルミニウムへの関税に対抗するため、一連の米国製品に25%の対抗関税を課すことを提案した。ロイターが入手した文書によると、対象品目はダイヤモンド、卵、デンタルフロス、ソーセージ、鶏肉など多岐にわたる。

ただ、当局者らは交渉による解決も模索している。欧州委のフォンデアライエン委員長は、ブリュッセルでの記者会見で、EUは工業製品について双方が関税をゼロにする「ゼロ対ゼロ」の関税協定を交渉する用意があると表明。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国大統領選は6月3日、閣議で決定 革新系野党代表

ビジネス

中村日銀委員の後任含む同意人事案、10日に提示=関

ビジネス

フィンテック企業、株価大幅下落 トランプ関税で動揺

ワールド

DOGEによる政府データアクセス禁止命令、米高裁が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 7
    フジテレビが中居正広に対し損害賠償を請求すべき理由
  • 8
    反トランプのうねり、どこまで大きくなればアメリカ…
  • 9
    流石にこれは「非常識」?...夜間フライト中に乗客が…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中