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今からでも遅くない! トランプ弾劾を徹底解説
―しつこいです。これからの公聴会や弾劾裁判で両者の主張はどうなりそうですか?
原告となる民主党側の主張は主に3つ――
1)選挙において、協力を外国から得ることは違法だ 。
2)トランプ個人にとって価値のあるものを得るために権力を行使すること、つまり、支援金や首脳会談提供の代わりに、選挙に有利な情報や協力を得る「取引」も違法。
3)国益より自己利益を優先することは背任行為だ。
―なるほど。
そして、
4)上記の案件ついての捜査を妨害した。
―3つと言っていませんでした? でも、分かった。被告側は?
被告側の共和党は、今までのトランプ不祥事疑惑において同じパターンの弁護を繰り返しているが、大体5段階の流れになる:
1)やっていない!
2)やったかもしれないが、問題行為ではない。
3)問題行為かもしれないが、弾劾するほどではない。
4)本当の問題なのは、民主党の捜査権の乱用だ!
―確かに、そんなパターンは今までもありましたね。弁護できそうですか?
内部告発の噂が広まったときに、ほとんどの共和党員は1)のやっていない!を主張したが、その後、トランプとウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談の書き起こしが開示された。その中で、ゼレンスキーがアメリカの武器が欲しいと話した直後に、トランプが「だが、お願いがある」と、捜査の開始を求めた内容が確認できた。それでも、トランプは「完璧な電話会談だった」と繰り返すし、「やっていない」と言う人はいる。
でも、多くの共和党員は2)に移った。つまり、収賄の立証に必要な Quid pro quo(取引)ではないという。だが、事情聴取で、大使、外交官、国家安全保障委員など複数の関係者が何度も、軍事支援や首脳会談と捜査開始の「取引」内容がウクライナ側に伝えられたと証言している。
それでも問題はないという人も多い。大統領首席補佐官代行は「そんなこといつもやっている」と開き直った。また、取引の正当性を主張し、バイデン親子への捜査も汚職撲滅のための、正当な要求だったと言う共和党員も多い。
―まあ、副大統領の子供の利害関係が外交に影響を及ぼす可能性はあるんじゃないですか?
確かに、見え方が悪い。バイデンが 利益相反に思われるだけでもアウトかもしれない。だから、ウクライナで仕事をする前副大統領の息子と同様に、中国、インド、インドネシア 、スコットランドなどでビジネスを展開する現役大統領の子供も調べてください! と、反論されるけど。
―それは痛いですね。共和党側はまだ2)に留まっていますか?
ほんの数人の共和党関係者は3)まで進み、 喜ばしい行為ではないが弾劾するほどの大罪ではないと言っている。だが、すごいのは、ほぼ全員がもう4)に飛びついたこと。「トランプ嫌いの民主党による調査は不公平だ。正当に選ばれた大統領を強引に引きずり下ろす、反民主主義的な手段だ」と激怒している。
―でも、民主党はトランプ嫌いでしょう?
はい。正直言って、僕も好きじゃない。
―分かってますよ。
でも、弾劾は感情ではなく憲法上の責任だと、民主党は断言する。トランプ就任以来、冒頭にあるような疑惑が山積しても、政策に集中したかったナンシー・ペロシ下院議長(民主党)は弾劾に超慎重だった。でも今回の不正・不法行為はあからさますぎる。証拠も多すぎる。ペロシも看過できなくて、弾劾せざるを得ないと判断したという。
―調査のやりかたは公平ですか?
事情聴取や公聴会で質疑の時間は与野党で同じだし、ほぼいつも通りのやり方だが、共和党はいろいろ怒っている。
最初は、下院が調査を開始する決議案を採決しなかったことについてだったが、その後採決をしても怒っている。非公開の事情聴取にも怒っていたが、その議事録が公開されても、公聴会が決まっても怒っている。調査の規則はビル・クリントン大統領(当時)の弾劾時に、共和党が定めたものと大して変わらないが、これにも怒っている。竹山さん、小峠さん、アンジャッシュの児島さんなどを寄せ集めた「切れキャラ」集団みたいになっている。
―何が不公平だと?
共和党は、民主党の許可を得ないと証言者を召喚できないことが一番だろう。
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