コラム

首相談話についても、アメリカ人なので語りません

2015年08月31日(月)18時20分

戦後70年談話の国内での評価は悪くなかったが Thomas Peter - REUTERS

 お待たせしました! 大好評の「むかつくアメリカ人シリーズ」第二弾!

 前回は憲法や安保法案をテーマにしたが、今回は首相談話を取り上げようと思っている。また微妙な話題だからまたお断りから:
 
 まず、覚えておいてほしいのは、僕は日本が大好きってこと!

 大人になってこの国を選び、日本に住んでいる。日本人女性と結婚し、日本人の子供が2人いる。そして、日本に骨をうずめる!

 気持ちの大半は日本人だし、心から日本を愛している。自分でも驚きだが、日本での生活が僕の人生の半分を占める。

 しかし、僕がアメリカ人であることも忘れてはならない。もちろん、過去の戦争の責任は日本単独のものではない。戦前も、戦時中も、戦後でさえアメリカは山ほど悪いことをしている。この後「お詫び」の話がでるけど、「まずはアメリカからどうぞ」と言われて当然だ。本当にひどかった(今もひどい)と思う。代表として心からお詫びします。

 でも、僕の謝罪ぐらいじゃ、もの足りないのもわかる。アメリカがちゃんと謝らないなら、日本に口を出す資格はなかろう。ということで「お詫び」を取り上げるけど、今回も個人的な意見を控えさせてもらう(今回は本当に言わないよ!)。

 僕の仕事は、日本の皆さんが議論するときに役立つ情報と、世界の見解を示すことだけ。なるべくむかつかれないようにね。だって、僕は3度の食事よりも日本が大好き! ただ、その食事がすべて和食だったらちょっと悩むけどね。

 では本編へ。

 みなさんは安倍総理の首相談話をどう評価しているかな?

 8月25日発表の毎日新聞の世論調査では、国民の40%が評価している。評価しない方々は31%。評価する見方が多い(実はおそらく皆さんが想像しているよりも、僕は評価している。言わないけど)。

 国民がもっとも共感したのが「子供たちに『謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない』」という主張らしい。そう思っている国民は実に61%。通りすがりに僕を見た人が、厚切りジェイソンだと間違える割合と同じぐらいだね。

 次世代どころか、現時点でも「70年間もの間、世界の平和や発展にこんなに貢献しているのに、何でいまだに謝罪を求められるのか」という疑問を持つ方は非常に多いと思う。

プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

1月改定景気動向指数、一致指数は前月比+0.1ポイ

ビジネス

ECB、金利設定は「現実的かつデータ主導で」=伊中

ワールド

ベトナム、対米関税引き下げへ スターリンクの試験サ

ワールド

タイ首相への不信任案否決、連立政権の安定示す
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 10
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story