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「ぴ」と僕のニューヨーク時間
ぴは12年間のニューヨーク生活で僕よりどんどん早く年を取り、一丁前の貴婦人ニューヨーカーの顔になった。毎晩、一生分の喜怒哀楽を奥歯でかみしめるようにして眠るぴの顔を、パパはこっそりのぞき込む。歯を19本以上抜いたので舌が少しぺろっとはみ出ていて、目尻には白い毛が交じる。長年一緒にいると顔つきもどこか似てくるものだ。僕とて夢を追い掛けるにはなかなか体がついてこない年齢になったが、それでもまだまだ共に歩いていこう──そう心で唱えると、以心伝心、ぴは目を開けて「明日は明日の風が吹く!」ペロッとパパの顔をなめあげた。
<本誌2019年11月26日号掲載>
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