コインチェックショックでもビットコインが崩れない理由
東京の仮想通貨取引所コインチェックのオフィス Kim Kyung-Hoon-REUTERS
コインチェックショックがあっても、ビットコインが崩れない理由は何か?
──それは、バブルだからだ。
バブルというのは、何かあるとあっという間に崩れる、あるいは水泡に帰すと思われているが、それは大きな間違いで、バブルであるからこそ、ショックを糧にして、まさに燃料補給として上がっていくのだ。
バブルの上昇局面においては、ネガティブショックは格好の買い場。出遅れた人々がこぞって買い捲る。殺到する。だから、ショックの前以上に上がる。
その理由はバブルだからに過ぎない。あるいはバブルだからこそだ。
バブルである以外に買う理由はないから、買いたい人々が残っているならば、安くなるのは買い意欲をそそるだけ。なぜそれでも買うのか、というのは、彼らは上がるという信念の下、買っているのだから、下がれば買いなのだ。
バブルが崩れるのは、上がるという信念が崩れたときに過ぎず、それは最後の一回だけで、それまで何度もショックを糧に上がる局面を作り、それができるのだ。
さて、今はどうか。
逃げるべき人は逃げている。
残っているのは、迷っている人といまだに信じ続けている人だ。
そして前者は2つのパターンに分かれる。1つのグループは、もう終わりだ、ということは分かっていて売りたいが、どうせなら一度戻した局面で売って逃げたい。買値に近い人々は特に買値に戻ったら売ろうと考えている。だから、過去の上昇局面でもみ合ったところにある場合には、崩れることへの一時的な歯止めとして働く。今はそれに近い面もあるが、これは少数派ではないか。
ナイーブな投資家層も
もう一つのグループは、まだ上がるかな、それとも下がるかな、不安でいっぱいな人々だ。現在の局面はこの人々が多いように観察される。
この結果、乱高下が起こる。
彼らが売りに傾けば一気に下がり、彼らが動かなければ、下がるのをやめ、買う人々の力で上がっていく。
この買う人々というのが、いまだに信じ続けている人々で、彼らも二つのグループに分かれる。
まず、非常にナイーブに仮想通貨に投資している人々で、ネットの情報を頼りにしているような人々で、仮想通貨は未来の通貨、規制は悪い、政府は悪い、起業家はすべて素晴らしい、というようなことをナイーブに信じているような人々だ。彼らは浮遊層でもあるから、崩れたらおろおろするが、現在は、仮想通貨の未来は間違いがない、技術的な革新性は素晴らしい、ネムやコインチェックは例外で、ああいうものがせっかくの仮想通貨の未来を壊す、だから選別して投資することが重要だ、というような議論に踊らされている人々だ。
仮想通貨取引の未来と仮想通貨投機の未来はまったく別なのに。
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