ニュース速報
ビジネス

IMF、新興国の成長率見通し引き下げ 資金調達問題など指摘

2025年04月22日(火)22時11分

国際通貨基金(IMF)は、22日発表の「世界経済見通し」で2025年の新興国経済の成長率見通しを下方修正した。香港で2023年撮影(2025年 ロイター/Tyrone Siu)

Karin Strohecker Rodrigo Campos

[ワシントン 22日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は、22日発表の「世界経済見通し」で2025年の新興国経済の成長率見通しを下方修正した。資金調達問題と開発資金の不足が打撃となる可能性を警告した。

IMFは新興国・発展途上国の今年の経済成長率予測を3.7%、26年を3.9%にそれぞれ引き下げ、1月に発表した前回の見通しから約0.5%ポイント下方修正した。24年の推定成長率は4.3%。

「現時点では状況は流動的だが、リスクは依然として明確に下方に向いている」と指摘した。

国別では、メキシコの成長率は1.7%ポイント引き下げられ今年0.3%のマイナス成長になると予想。

中国は、米関税の標的となっていることから今年の成長率は0.6%ポイント、来年もほぼ同程度下方修正された。

一方、ロシアの今年の成長率は0.1%ポイント引き上げ1.5%としたが、昨年の推定成長率4.1%からは大幅な減速となっている。欧州新興国の今年と来年の成長率は2.1%にとどまる見通し。

IMFは、多くの新興市場国の財政余地は10年前よりもはるかに逼迫しており、財政収入に占める債務返済の割合が増加していると指摘。

「多くの国が示してきた耐性は、不利な世界金融状況下で高水準の債務返済がより困難になるにつれて試練を受ける可能性がある」と分析している。

また、多くの国がすでに譲許的融資や開発資金の枯渇に直面していると警告。

「国際開発支援がより限定的になれば、低所得国は債務増大や大幅な財政調整を余儀なくされ、成長と生活水準に直接的な影響を与える可能性がある」との見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、民間インフラ攻撃停止提案検討の用意=大

ビジネス

米景気後退の確率45%近辺、FRBへの圧力で長期影

ワールド

米国のウィットコフ特使、週内にモスクワ訪問=ロシア

ワールド

米・イスラエル首脳が電話会談、トランプ氏「あらゆる
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「利下げ」は悪手で逆効果
  • 4
    日本の人口減少「衝撃の実態」...データは何を語る?
  • 5
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 6
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 7
    なぜ世界中の人が「日本アニメ」にハマるのか?...鬼…
  • 8
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 9
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 10
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 7
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中