米景気後退の確率45%近辺、FRBへの圧力で長期影響も=シティ

シティグループのチーフエコノミストは、トランプ大統領が打ち出した関税措置の影響で、米経済がリセッションに陥る確率は40─45%という見方を示した。2020年、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Joshua Roberts)
[ニューヨーク 22日 ロイター] - シティグループのチーフエコノミスト、ネイサン・シーツ氏は22日、トランプ大統領が打ち出した関税措置の影響で米経済は打撃を受けており、リセッション(景気後退)に陥る確率は40─45%という見方を示した。
関税の発動を控えた駆け込み需要が一助となり、第2・四半期の米国内総生産(GDP)はプラスの伸びになると予想。米経済成長への影響が最も顕著となるのは年後半になる見通しで、「関税は米経済にとりスタグフレーション的なショックとなる」と述べた。
トランプ大統領が利下げに踏み切らないパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を公然と非難したことは、関税の「悪影響を暗に認めた」ことを示唆していると述べた。
トランプ大統領がパウエル議長を解任するとは思わないとしつつも、こうした状況が米経済に長期的な影響を及ぼす可能性もあると警告。関税措置発表以降の市場の反応は、米国の政策に対する信認の低下を示しているとした上で、FRBに対する政治的圧力などによって「米国の制度が損なわれ、永続的な構造的ダメージが及ぶと考えれば」、今後3─5年の米実質GDP成長率見通しを下方修正する必要が生じる可能性もあると述べた。
同時に、現時点ではドルに代わる国際基軸通貨は存在しないという認識も示した。