『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず出版すべき本である
「困ったさん」とは何か
「困った人」「困ったさん」という表現の是非についても考えたい。
辞書を引くと、連体修飾語として使われる「困った」には「不都合である」「うまく扱いかねる」「人に迷惑をかける」「手に負えない状態になる」「扱いに苦しむ」とある。
困った人、困ったさんは、このような性質を持つ人と解するのが妥当だろう。なお、ネットサイト「日本語俗語辞書」は「困ったちゃん」をこう説明している。
「困ったちゃんとは仕事でミスばかりする人や周りの人の気分を害するような言動を平気でする人など、他者を困らせる人、周りが処置に困るような言動をする人、無神経な人のことで、こういった困った人のことを人名的に呼んだものである」
政府広報オンラインによると、本書の帯で「困った人」の筆頭にあげられているASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)は、社会生活のなかでつまずきやすいことがあるという。このようなものがある。
・悪気はないのに、言動によって相手を怒らせてしまう。
・仕事をする中で臨機応変に業務ができない。
・忘れ物や落とし物、遅刻が多い。
・頼まれていた仕事や約束を忘れる。
一般論として、遅刻が多い人や約束を忘れてしまう人が職場にいる時、周囲の人は不都合や迷惑を感じ、扱いに苦しむことになる。つまり、「困った人」と見ざるを得なくなる。そういう「困った人」を積極的に採用したいと考える企業は、ほとんどないだろう。
ただし、忘れてはいけないのは、本書はあくまで「職場の困った人」という言い方をしていることだ。決して社会にとって不要だとか、生きているだけで迷惑だという主張をしているわけではない。
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