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ネット空間に溢れる「インプットなきアウトプット」の弊害
論理的・科学的な問題解決を見いだすには、インプットとアウトプットのバランスを取ることが不可欠である。最近、そのための仕掛けが作られ、野心的な挑戦が始まった。その一つが、Polimill株式会社が提供するSNS「Surfvote」だ。
そこには、さまざまな政策や課題(イシュー)を知るだけでなく、自分の考えに基づいて投票し、自分の意見や立場を述べ、他の人の意見を傾聴し評価する仕掛けが組み込まれている。その目的は、「分断や対立や極化を助長するSNSではなく、異なる意見のなかから共通する価値観を見つけて合意が形成される」ことだという。
例えば、「防犯カメラの増設に賛成か反対か?」というイシューでは、賛成側の理由と反対側の理由が提示され、それを踏まえた上で、「録画だけの防犯カメラでも、増設に賛成」「リアルタイムでモニタリングするなら、増設に賛成」「画像の不正利用を処罰するなら、増設に賛成」「プライバシーが侵害されるので、増設に反対」「犯罪防止効果が期待できないので、増設に反対」「防犯カメラの管理に関する法律がないので、増設に反対」という選択肢のいずれかに投票する。加えて、その選択肢に投票した理由を述べることもできる。
このように、Surfvoteはサイバー空間におけるディベートとしての色彩を帯びたシステムである。それは、とかくアウトプットが野放しになりがちなサイバー空間に、意図的に賛否両論からのインプットを組み込むことで秩序を回復しようとする試みなのかもしれない。こうした努力によって、サイバー空間が健全に成長していくことを切に願っている。
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