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「王室離脱」騒動の只中にメーガン妃の「ダメ父」がまた暴言──意外にも同情を集めている理由
考えてみると、メーガン一家にとって、イギリスの王室は「とてつもなく、中に入りがたい」場所だったのではないだろうか。
娘にも、孫にも会えない
2018年8月以降、メーガン妃はトーマスさんとの連絡を絶った。トーマスさんによると、以前にもらった電話番号が使えなくなったと言う。初の子供アーチー君の誕生(昨年5月)を知ったのは、ラジオのニュースを聞いた時だった。現時点で、トーマスさんは夫妻にもアーチー君にも会う機会を持てないままだ。
何度も何度も、トーマスさんはイギリスのメディアに出て、自分の気持ちを娘に伝えようとした。「連絡を取ってほしい」、「愛している」というのが主なメッセージだ。しかし、すべてが逆効果に終わっている。
チャンネル5の番組に出演したことでで、またもトーマスさんは相当の報酬をもらったようだ。「王室も、ヘンリー王子も、メーガンも私に支払いをしてしかるべきだ。私がこれまで経験してきたことを考えると、(報酬を得るのは)当然だ」とトーマスさんは正当化した。「娘は私が高齢になったら面倒を見てくれるといったんだ。私は今、高齢だ。お父さんを面倒見るときが来たんだ」。
イギリスの王室といえば、イギリス社会ばかりか世界中から仰ぎ見られる存在だ。そんな王室をいわば敵に回したトーマスさん。「お騒がせ」ではあったけれども、番組は「娘や孫に会えない」、「取り残された」人物の悲しみ、焦り、怒りを浮き彫りにした。
番組放送後、ツイッターではトーマスさんに同情を寄せる発言があふれた。「彼は本当に娘を恋しく思っているんだ。悪いことをしたかもしれないが、害をもたらそうと思ったわけじゃない。そうさせられたんだよ」「本当にまともな父親だ。著名な人と結婚したから、娘は父と一切関係を持ちたくないっていうのは悲しい」
メーガン妃がいつかこの番組を見ることはあるだろうか。
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