- HOME
- コラム
- リアルポリティクスNOW
- 石丸躍進の原動力「やわらかいSNSファンダム」を考…
石丸躍進の原動力「やわらかいSNSファンダム」を考える
「やわらかいファンダム」の裾野の広がり
これまでにもSNS上で熱狂的なファンを持つ候補者はいた。例えば4月の衆議院東京15区補選に出馬した飯山陽氏や高市早苗経済安保相、あるいは今回の都知事選の「ひまそらあかね」(暇空茜)氏もそうだろう。その政治家や候補者の思想信条と行動に熱狂し、親身に応援するのだ。「イデオロギー的ファンダム」と十把一絡げにすると怒られるかもしれないが、伝統的な政治家支持の延長にある応援の形態で、「かたいファンダム」、あるいは「濃いファンダム」とも言ってもいいだろう。
しかし、そうした岩盤的ファン層が当該候補者の選挙区に在住しているとは限らない。遠く離れた人でも、選挙区在住者と「等価値」で応援できるのがSNSファンダムの利点でもあり、弱点でもある。岩盤的ファン層には選挙権を持たぬ18歳未満の若者もいる。
「思ったよりも得票が伸びなかった」とか「SNSの勢いでは当選確実なのに(選挙結果が操作されたに違いない......)」とかいった感想がもたらされるのは、SNS上に形成される政治的ファンダムによく見られる現象だ。「SNSでの支持とリアル(実社会)での投票行動はイコールではない」という評価が、これまでの政治の世界では一般的だった。
しかし、それはあくまでも思想と行動に強く共鳴する者によって形成される「かたいファンダム」の話だ。思想信条の一致を共通項とするファンダムは堅牢ではあるが開放性に欠け、自ずとアンチも惹起する。
それに対して、イデオロギー性を限りなく薄める「脱色化」と、論争を誘発するような具体的な論点提示をできる限り避ける「なめらかさ」を備えたファンダムであれば、ファンになる参入障壁は低くなり、ファンの裾野は広がる。選挙区在住かどうか、選挙権を有するか否かという点では、「かたいファンダム」と事情は同じだが、異なるのは、その「裾野の広がり」だ。
実際のところ、石丸氏の主張は玉虫色のものが多く、どのようなイデオロギー的立ち位置なのか定かではない。しかし、それは薄く広く人々に浸透させるのに好都合であり、日本最大の選挙区「東京都」の投票者約688万人(当日有権者数約1135万人、投票率60・62%)の中で、「小池知事と蓮舫候補、正直に言ってどっちもどっちだな。迷うな」と感じていた層に「マッチ」したのではないか。
つまり「やわらかいファンダム」が、有権者の「消極的な選択」の受け皿になり得たからこそ、ほぼ無名に近かった石丸候補が都知事選で約166万票を獲得することができたのではないかと思われるが、いかがであろうか。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
ついに刑事告発された、斎藤知事のPR会社は「クロ」なのか? 2024.12.04
「少数派」石破政権はこれから、3つの難題に直面する 2024.11.19
自民大敗、でも石破続投......なら、次の政局はいつ、どんな形で訪れるのか? 2024.10.29
自民党と首相官邸を襲った「ローンオフェンダー」を軽視するな 2024.10.21
「石破首相」を生んだ自民党総裁選のダイナミズムと、「小泉失速」を招いた稚拙な広報戦略 2024.09.28
岸田首相のサプライズ退陣表明がサプライズでない理由 2024.08.14
パリ五輪のこの開会式を、なぜ東京は実現できなかったのか? 2024.07.28
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員