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衆院選の勝敗と菅首相の去就を左右する秋の政局「3つのシナリオ」
秋の政局「シナリオA」「シナリオB」とは?
菅首相にとってこれからの1ヶ月はまさに正念場だ。ここで今後の政治日程を確認すると、
8月22日 横浜市長選挙投開票
8月24日 パラリンピック開会
8月26日 自民党総裁選日程決定(予定)
9月1日 デジタル庁発足
9月5日 パラリンピック閉会
9月12日 緊急事態宣言解除(予定)
9月17日 自民党総裁選告示(有力案)
9月29日 自民党総裁選投開票(有力案)
9月30日 自民党総裁任期満了
10月21日 衆議院議員任期満了
となる。これまでは、パラリンピック閉会後に臨時国会を招集して解散、総選挙で勝利した後に、無投票で菅首相が自民党総裁選で再選されるという「早期解散論」の可能性が指摘されてきた(シナリオA)。安倍前首相が5月段階で菅再選支持を表明した際に示唆されたのも、このシナリオだ。
しかし、デルタ株コロナウイルスの感染爆発によって、菅政権は現在発令されている緊急事態宣言を9月12日まで延長せざるを得なくなった。このため早期解散は日程上困難であるとして、総裁選を解散総選挙よりも前に実施するという「総裁選先行論」が勢いを増している(シナリオB)。9月17日に告示、9月29日に投開票という日程案がその一つだ。
この場合、自民党総裁選が、若年層も含めて広く国民的関心を集めれば、その勢いで解散総選挙に突入し、与党の議席減を最小限に食い止められる可能性がある。昨年9月の総裁選と異なり、党員と党友が参加する「フルスペック」総裁選が実施された場合、立候補者の顔ぶれによっては広く注目を集めるであろう。
既に、高市早苗元総務相(無派閥)や下村博文政調会長(清和研)が出馬の意欲を表明している他、前回の総裁選で敗北した岸田文雄氏(宏池会)らの名前も取り沙汰されている。
しかし、このシナリオにも波乱要因がある。コロナの感染拡大状況もそうだが、その最たるものは人事だ。今回の総選挙は、アダムズ方式による10増10減の定数配分見直し前に行われる最後の衆議院選挙となる。次々回の総選挙から、都市部では定数が増えるのに対して地方では定数が削減される。そうなる前に「円滑に」世代交代が進むように、地方選出の重鎮議員を中心にして長老議員の引退表明が相次いでいる。
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