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トランプは本気で、カナダを電子スパイ同盟「ファイブ・アイズ」から放り出すつもりか...その影響は?

Rokas Tenys/Shutterstock
<世界史上最も成功した情報共有協定とされるファイブ・アイズからカナダを排除するとトランプ政権が脅す目的は何か? そして、その脅しはどんな影響をもたらすのか>
[ロンドン発]ドナルド・トランプ米大統領がカナダを米国51番目の州にすると暴言を吐き、関税戦争を仕掛けるその舞台裏で、米高官が英語圏の電子スパイ同盟「ファイブ・アイズ」からカナダを排除するよう提案したと英紙フィナンシャル・タイムズが報じたのは2月25日。
カナダのジャスティン・トルドー首相は退任前にトランプ氏のカナダ併合発言について「トランプ政権はわが国の重要な鉱物資源の量を把握しているだけでなく、それが併合しようと言い続ける理由である可能性さえある」と警戒警報を発した。
米通商・製造業担当大統領上級顧問で対中強硬派のピーター・ナバロ氏がカナダへの圧力を強めるためファイブ・アイズから外すよう働きかけたというFT紙の報道を本人は「カナダのような同盟国とわが国の国家安全保障を危険にさらすことは決してない」と一蹴した。
21世紀の新たなグレート・ゲームは北極圏
トランプ氏がカナダへの圧力を強める背景には中国やメキシコと並んで米国の貿易赤字が多いほか、温暖化で北極圏航路や資源開発の可能性が膨らみ、地政学的な重要性が増していることがある。地球儀を北極点から見ればカナダもデンマーク領グリーンランドも同じ位置づけになる。
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