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トランプ大統領のパリ協定再離脱、「大した影響はない」と専門家...米国は「老大国」に転落か
ロイター通信(1月22日付)は「石油・ガス大手はトランプ氏が国内のエネルギー開発を奨励したいと考えていることを歓迎しているが、再離脱はクリーンエネルギーへの世界的な移行に向けた投資計画に役立たないと懸念している」と伝えている。
気候変動リスク専門家はロイター通信に「米国がパリ協定から再離脱することで規制が曖昧になり、複雑さが増し、多国籍企業が移行戦略の不確実性に対処する中で法的紛争に巻き込まれる恐れが出てくる」と話している。
平均気温が上昇するごとに異常気象は激化
英インペリアル・カレッジ・ロンドン環境政策センターのフリーデリケ・オットー上級講師は「パリ協定は人権に関する協定だ。格差を拡大し、基本的人権を侵害しようという意図をあからさまにしているトランプ氏が米国をパリ協定から再離脱させても全く驚かない」という。
「気候変動はすでに米国内、世界中で人々の生活を困難にしている。世界の平均気温が上昇するごとに異常気象は激化し、食料・住宅・労働・医療など基本的人権に影響を及ぼす。トランプ氏が何をしようと、これまで以上に彼とは異なる物語を語ることが重要だ」 (オットー氏)
ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)のマーク・マスリン教授(気候学)は「トランプ氏は石炭の熱心な擁護者だが、第1次政権時にガスや再生可能エネルギーへの転換で石炭使用量は減少した。単純明快な経済原理によりこの傾向は今後も継続する」と断言する。
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