コラム

「外国人」の不動産購入に100%課税...地元住民を守る「スペイン方式」を日本も見習うべきか?

2025年01月23日(木)18時47分

年収倍率はひと昔前まで年収の3倍が目安だった

ニュージーランドは外国からの投資によるオークランドの不動産価格高騰に対処するため18年、非居住の外国人バイヤーによる中古住宅の購入を事実上禁止する法律を施行した。シンガポールでは住宅用不動産を購入する外国人に30%の印紙税を課していたが、60%に引き上げた。

日本でも東京などの大都市圏や観光地で中国資本による不動産の買い漁りが進み、不動産価格が高騰している。中国と比較して日本の不動産は歴史的円安もあって超割安。借り入れ金利も低い上、日本政府が外国からの投資に対し比較的オープンな政策をとっていることが原因だ。

東京カンテイ(東京・品川)の集計によると新築マンションの平均価格が平均年収の何倍かを示す年収倍率は23年時点で10.09倍。東京17.78倍、長野15.88倍、京都14.38倍と続く。大阪は8位の11.82倍。年収倍率はひと昔前まで年収の3倍が目安、5倍は完全にアウトだった。

少子高齢化が加速し「負」動産と言われる日本にとって中国人の爆買いは天の恵みか、それとも地獄への入口か。1990年代のバブル崩壊を新聞社の事件記者として取材した筆者には悪夢の再現のように思えてならないのだが......。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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