- HOME
- コラム
- 欧州インサイドReport
- いまや消費者は「試験場のモルモット」に...利益至…
いまや消費者は「試験場のモルモット」に...利益至上主義の巨大テック企業に飲み込まれた「AI」の未来
理想主義と現実的な企業利益の衝突
オルソン氏は「大規模言語モデルをベースとするChatGPTのような生成AIは大きな飛躍を意味し、狭いアプリケーションの枠を超えている」と、この2年間に起きたAIブームを振り返った。こうした進歩は巨大テックの優先順位を変え、AIに対する一般の関心を喚起した。
科学的好奇心、壮大なビジョン、ユートピア的願望に根ざしたAI技術は理想主義と現実的な企業利益が衝突するシリコンバレーの典型的なパラドックスに突き当たる。
ディープマインドは自律的な活動を続けるという前提でグーグルに買収された。
「AIが強力になれば、がんのような病気を治すのに役立つだろう。気候危機さえも解決するかもしれない。ちょっとクレイジーに聞こえるかもしれないが、これがハサビス氏が純粋にやろうとしていたことなのだ」とオルソン氏は語る。
しかし、非商業的なAGI(人間のような認知能力と自律性を持つ未来のAI)を作ろうというディープマインドの志は打ち砕かれ、グーグルの営利主義にのみ込まれた。ディープマインドの多くの関係者は同社の革新的なテクノロジーは一企業に独占されるべきではないと考えていた。
若手社員が担当する仕事を自動化
アルトマン氏率いるオープンAIも、AIの倫理的発展を保証する非営利団体として設立されたが、マイクロソフトと資金提携したことで大きな転機を迎える。この提携によりオープンAIは製品主導型の営利団体へと変貌した。