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バイデン米大統領のセンチメンタルジャーニー アイルランド帰郷に込められた意味
米大統領46人のうち23人がアイルランドの血を引く
英国はトランプ・ジョンソン時代の後、バイデン政権との関係修復を迫られており、スナク氏はバイデン氏を北アイルランドに招待した。ケネディ教授によると、米大統領によるアイルランド訪問の歴史は長い。46人の大統領のうち23人がアイルランドの血を引くとされる。60年代前半までは、北アイルランドに祖先を持つ元大統領の訪問が多かった。
63年、ジョン・F・ケネディが現職大統領として初めて、アイルランド系カトリックの大統領として初めてアイルランドを訪問した。当時、アイルランドと米国のメディアはケネディの訪問を『センチメンタルジャーニー』と表現した。アイルランド系カトリック2人目の大統領であるバイデン氏の訪問はケネディ氏のそれとダブる。
バイデンとケネディ両氏のアイルランドのルーツとカトリックの道徳性が共感できるリベラルな政治を体現していると考えられてきた。しかしアイルランド系米国人は高齢化し、ますます保守的になり、ドナルド・トランプ前米大統領を支持するようになった。アイルランド系米国人は3150万人。アイルランド訪問は次の大統領選をにらんだ重要な選挙運動なのだ。
「バイデン氏はかつて強力だったリベラルなアイルランド系米政治家の最後の一人であり、消えゆく存在だ。バイデン氏にとってトランプ以降、後退する自由主義的国際主義のリーダーという米国の世界的評価を修復するチャンス。ベルファスト合意25周年を祝うことは外交政策における法の支配への米国の支持を示すことになる」とケネディ教授は強調する。