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「欧州スーパーリーグ」とは、英プレミアのことだった? 他国とここまで差がついた理由
カネとヒトの移動を自由にしたのが成功の鍵だが...
プレミアはフットボールリーグ・ディビジョン1だった1980年代、死者97人、負傷者766人を出した群集事故「ヒルズボロの悲劇」やスタジアム老朽化による火災・崩落事故、フーリガンの暴力行為で低迷を極めた。92年にプレミアを発足させ、外国資本や海外のタレントに門戸を開いた。カネとヒトの移動を自由にしたのが成功の秘訣。米国資本も参入しやすい。
デロイトは「短期的にプレミアの収入が揺らぐとは考えにくい。プレミアの20クラブすべてがマネーリーグのトップ30入りするのも、そう遠くないだろう。新たな契約では放映権の価値も1シーズン当たり3億7300万ポンドも上昇した」と分析する。プレミアは財政的優位性を保ち、コロナ危機にも上手く対処した。
プレミアの国内放映権料は、50%は均等に、残りの50%は放送回数や順位に応じて分配される。海外放映権料は均等に分けられていたが、2019/20年シーズンから増加分は順位に基づいて分配されている。17/18年シーズンの優勝クラブと最下位クラブの放映権料収入の格差はプレミア2倍強(現在は1.8倍)、スペイン6倍、イタリア9倍だ。
プレミアでは下位クラブでも良い選手を補強できるため、今季リバプールが10位に沈んだように上位と下位の入れ替わりが激しい。若手を補強したアーセナルは首位を独走する。マンC率いるジョゼップ・グアルディオラ監督も財務規則違反がはっきりした場合、退団する可能性がある。公正な競争も重要なカギだ。
米白人警官による黒人男性暴行死事件で改めて火がついた人種差別撤廃運動「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」でもプレミアはキックオフの前にひざまずいて連帯の意思を表明している。他の欧州リーグではサルの鳴き声を真似たり、バナナの皮を投げ込んだり、黒人選手への根強い差別と偏見が残る。こうした取り組みもプレミアの繁栄を支えている。
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