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「70年にわたる平和維持の実績」 韓国の武器輸出が、ウクライナ戦争で一気に飛躍
日本の22年度防衛予算は5兆8661億円(米軍再編を含めると6兆1744億円)と韓国とそれほど変わらない。スウェーデンのシンクタンク、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、韓国の武器輸出額は11~15年の12億ドル(約1600億円)から16~20年には38億ドル(約5000億円)と3倍以上に膨らんでいる。
欧州ではフィンランドとノルウェー、バルト三国のエストニアがK9自走榴弾砲を調達している。「ハイマース」の成功で、欧州でK9自走榴弾砲の需要が膨らむのは必至だ。
20年には韓国は世界6位の「武器輸出大国」になった。中でもポーランドに輸出するK9自走榴弾砲はその象徴だ。21年12月、従来はアングロサクソン系企業が独占していたオーストラリアの防衛市場にアジアモデルとして初参入。今年2月にはエジプトに17億ドル相当を売却するなど、K9自走榴弾砲は世界の自走砲市場の半分以上を占めるまでに成長した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領になって武器輸出はさらに拡大する可能性が強い。K9自走榴弾砲の成功で約1000社が下請け生産に参加する。防衛産業は韓国の成長分野だ。さらに兵器取引は「技術共有、合同軍事訓練、相互信頼の強化による外交政策の緊密化と連動している」(イ・ウンウ記者)。保守で親米の尹氏の登場は「米韓の黄金時代」を予感させる。
中露の権威主義国家に対抗するため、米欧防衛産業を補完する形で韓国の武器輸出はさらに拡大するとみるのが自然だろう。防衛産業の「隙間市場」を韓国に独占されないよう日本の岸田文雄首相も対応を急ぐ必要がある。