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国益よりも30年に及ぶNATOへの怨念で攻めるプーチンの怖さ
2022年02月25日(金)20時36分
ロシア軍は東部ルガンスクで対峙するウクライナ軍の後方に回り、分断しようとしているが、現時点でほとんど前進できていない。しかし依然としてロシア軍はウクライナ軍よりはるかに大規模で、高性能の装備を持っており、プーチン氏に代償を払う覚悟さえあれば今後数日から数週間のうちにウクライナ軍を撃破し、領土的な目標を達成する可能性がある。
プーチン氏は親露派支配地域へのウクライナ軍の攻撃をデッチ上げ、ウクライナの「非ナチ化」「非軍事化」を唱えて、政権交代を目的とした大規模な侵攻であることを自国民に対して隠蔽しようとしている。大規模戦争への備えがない自国民からの反発を弱めるためだが、すでにロシア全土ではウクライナ侵攻に抗議するデモが起き、数百人の市民が拘束された。
ウクライナ軍の抵抗が成功すればするほどプーチン氏は窮地に追い込まれる。しかしそれはウクライナに対する攻撃が非情さを増し、ロシア国内では市民弾圧が一層エスカレートすることを意味する。この戦争はロシアの国益とは何の関係もなく、"ロシア皇帝"になりたいプーチン氏の体制保持という執念だけから起こされたことを如実に物語っている。
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