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ヘンリーとメーガン夫妻、ネットフリックスとの複数年契約は252億円?
今をときめくネットフリックスは、現代のシンデレラ、メーガンが与える夢に賭けた Hannah McKay-REUTERS
[ロンドン発]英王室を離脱したヘンリー・サセックス公爵(35)=王位継承順位6位=とメーガン夫人(39)が米動画配信サービス、Netflix(ネットフリックス)と複数年契約を結んだ。制作費を出してもらう代わりにドキュメンタリーや長編映画、子供向け番組を供給する契約だ。
PRの専門家は英大衆紙デーリー・ミラーに、複数年契約で2人が手にするおカネは3700万~7500万ポンド(約52億~105億円)、成功報酬が支払われると合わせて1億8000万ポンド(約252億円)になるとの見方を示しているが、はっきりした数字は公表されていない。
生き馬の目を抜くハリウッドでキャリアを築いた元女優のメーガン夫人。彼女が王室離脱を急いだのは、映画とテレビドラマのストリーミングサービスが世界に普及し、ハリウッドが激変する千載一遇のチャンスをみすみす逃したくなかったことも一因だろう。
Netflixの会員は世界で1億9200万人。2011年の2150万人に比べると実に約9倍の急成長だ。年間売り上げは226億ドル(約2兆4000億円)。新型コロナウイルスで"巣ごもり視聴"が激増し、ライフスタイルの転換が加速することを見越して株価は一時2倍近くに高騰した。
「ブラック」が格好良いトレンドに
米白人警官による黒人男性暴行死事件に端を発した黒人差別撤廃運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」は世界中にアッという間に広がった。リベラルで反トランプのハリウッドはこの運動を全面的に支持している。
キャストや製作スタッフの大半が黒人というスーパーヒーロ映画『ブラックパンサー』(2018年)が世界的に大ヒットし、ブラックパンサーを好演した俳優チャドウィック・ボーズマンが大腸がんで夭逝すると英BBC放送はトップニュースで取り上げた。
そしてアメリカ独立戦争の総司令官ジョージ・ワシントンの副官を務め、初代財務長官に就任したアレクサンダー・ハミルトンを主人公にしたヒップホップミュージカル『ハミルトン』が映画製作会社ウォルト・ディズニー・ピクチャーズによって映画化され、注目を集めている。
実在する白人役に黒人など非白人の俳優を起用した異色の作品であることがポイントだ。友人の映画プロデューサーは「とにかくブラックやマイノリティーであることがトレンディーで、大ヒットする時代です。この業界では今や白人であることがハンディキャップ」と語る。
目指すはオバマ前米大統領とミシェル夫人
ヘンリー公爵とメーガン夫人が目標にしているのはアメリカ初の黒人大統領バラク・オバマ前米大統領とミシェル夫人。夫妻もNetflixと複数年契約を結び、2018年に製作会社「ハイヤー・グラウンド・プロダクションズ」を立ち上げている。