ポストコロナの韓国版ニューディールは成功するか?
地域均衡ニューディールは、中央政府が主導する(1)韓国版ニューディールの中の地域事業と(2)地方自治体が主導する事業、そして(3)公共機関が先導する事業が歯車のように噛み合う形で推進される。
(1) の韓国版ニューディールの中の地域事業に投資される75.3兆ウォンのうち、デジタルニューディールとグリーンニューディールにそれぞれ24.5兆ウォンと50.8兆ウォンが投入される。
2021年におけるデジタルとグリーンニューディールの予算は13兆ウォンで、国土の50%に知能型交通システム(C-ITS)を設置する事業、27の都市にスマートシティソリューションを支援する事業、呼吸器専門クリニック(1千カ所)を支援する事業、小規模の自営業者を対象にオンライン企画展等を支援する事業等が推進される予定である。
(2) の地方自治体が主導するニューディール事業は、地方自治体自らが発掘・推進する事業で、現在136の地方自治体(11の広域自治体と125の基礎自治体)が各地域の特性に合わせて地域型ニューディール事業を計画している(財源は地方自治体の財源と民間の投資額)。
事業の例としては、世宗特別自治市の自動運転のテストエリアの運営事業、京畿道の公共分野におけるデジタルSOC構築事業、仁川広域市の国際グリーンスマートタワーの助成等が挙げられる。
(3)の公共機関先導型ニューディール事業は、地域の公共機関が地域の地方自治体、研究機関、企業等と協力しながら実施する事業であり、韓国ガス公社の唐津LNG生産基地スマートファクトリーの構築、仁川港湾公社のスマート物流センターの構築、国立癌センターのVRに基づいたヘルスケアプラットフォームの開発等がその代表的な例である。
絵に描いた餅という批判も
韓国政府は地域均衡ニューディールの推進に意欲的な姿勢を見せているものの、「既に地域自治体で推進している事業をまとめて、新しい名前を付けただけ」、「ニューディールという看板を利用して地方自治体が事業を分かち合っただけ」、「次の選挙に向けたばらまき政策である」、「参加する企業に利益が発生する仕組みを提供しないと、民間の投資を呼び込むことは簡単ではない」等、批判や懸念の声も少なくない。
実際に、文大統領は政権初期から国の均衡発展政策を推進すると何度も主張してきた。しかしながら、実現された政策はほぼ皆無。公的機関の2次地方移転を大統領選挙で公約に揚げ、最近は行政首都の移転が与党を中心に議論されているものの、実現されるかどうかは不透明である。
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