一人当たりGDPが増えても普通の韓国人が豊かになれない理由
さらに、地域間の格差も広がっている。人口は首都圏に集中し、一部の地域の高齢化率は40%近くまで上昇し、過疎化が進んでいる。外国人の投資もソウルを中心とした首都圏や一部の地域に偏り、財政力指数も地域間で大きな差を見せている。持てる者と持たざる者の間の意識の差も広がっており、文在寅政権を支持する層と支持しない層もはっきり分かれている。つまり、現在、韓国社会は経済や意識などの多様な分野で二極化が進んでいると言える。
韓国政府が、家計の可処分所得の増加と国民の所得増加に対する満足度を高めるためには、大企業や貿易の偏っている現在の経済システムを変え、中小企業を育成すると共に、内需を活性化する対策を行わなければならないだろう。また、韓国社会に広がっている様々な二極化を解決し、皆が望む公正な社会を実現するために、どのような政策を優先的に実施すべきなのか等、慎重に議論を行う必要がある。
2020年1月14日号(1月7日発売)は「台湾のこれから」特集。1月11日の総統選で蔡英文が再選すれば、中国はさらなる強硬姿勢に? 「香港化」する台湾、習近平の次なるシナリオ、日本が備えるべき難民クライシスなど、深層をレポートする。
この筆者のコラム
少子化が深刻な韓国で育児休業パパが急増している理由 2022.06.30
深刻化する韓国の貧困と所得格差 2022.06.02
韓国で1日あたりの新規感染者数が60万人を超えた理由 2022.03.29
【韓国大統領選】李在明と尹錫悦の経済政策、不動産政策、労働政策を比較する 2022.02.21
北京五輪が韓国与党の大ブレーキに?韓国大統領選まであと1カ月 2022.02.10
安哲秀氏との候補一本化に成功し、韓国の次期大統領になるのは誰か 2022.02.03
韓国大統領選、尹錫悦候補の支持率はなぜ再上昇できたのか 2022.01.27