韓国における日本製品不買運動の現状──年齢、支持政党、地域により大きな差が...
但し、ユニクロが韓国進出15周年を記念して10月3日から最大で半額になる感謝セールを実施してから、店舗には買い物客が押し寄せ、オンラインストアでは一部の人気商品が売り切れるなど、少し回復の気味を見せ始めた。しかしながら、ユニクロがYouTube上で公開したCM動画の表現をめぐって韓国で批判が寄せられており、「不買運動」を超えて、韓国から出て行けという「退出運動」まで起きることになった。問題になったCMは、13歳の女性が98歳の女性に「How did you used to dress when you were my age?(私の年齢の時は、どんな格好をしてたの?)」と尋ねると、98歳の女性が「Oh my god, I can't remember that far back(それほど昔のことは覚えていない)」と答える。但し、なぜか韓国語の字幕は「80年前のことは覚えていない」と意訳されたものがつけられていた。80年前の1939年は、日本の朝鮮半島統治の後期に当たる時期であるので、このコマーシャルの字幕は韓国で猛烈な反発を招き、韓国国内のユニクロ店舗前で抗議デモが行われた。
日韓両国にとってマイナスの影響が
このような不買運動は日韓両国の経済にマイナスの影響を与えている。9月の日本の韓国への輸出額は、前年同月に比べて15.9%減り、貿易収支の黒字額も25.5%減少した。半導体の製造などに使われる化学製品3品目に関して日本政府が韓国への輸出規制を厳格化したことにより関連製品の輸出ができなかったことや、韓国での日本製品の不買運動が影響を与えた可能性が高い。さらに、米中貿易戦争の長期化などの影響もあり、9月の全体輸出額は5.2%減少した6兆3685億円、輸入額は1.5%減少した6兆4915億円にとどまった。
この結果輸出は10カ月連続、輸入は5カ月連続減少している。
韓国も状況は同じである。9月の韓国の日本への輸出額は、前年同月に比べて6.0%減り、輸入額も8.6%減少した。また、韓国政府が11月1日に発表した10月の全体輸出額は、前年同月に比べて14.7%減少し、11カ月連続でマイナスとなった。これは2016年1月以来の約4年ぶりの大幅減少である。中国向けの輸出が減少したことや半導体価格が下落したことなどが影響を与えている。
一方、韓国からの観光客が多かった九州、大阪など日本の地域の被害も拡大している。10月2日に釜山海洋水産庁が発表した資料によると、釜山と、長崎県の対馬市、大阪市、山口県の下関市、福岡市の4カ所を結ぶ国際旅客船の9月の乗客数は前年同月に比べて80%も減少した約2万1千人に過ぎなかった。韓国人観光客の急減に対し、対馬市の比田勝尚喜市長は、新たな観光客誘致に向けた宿泊施設整備費や宣伝費への財政支援を要請した状態である。
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