DeepSeekは「衝撃」などではなかった...テクノロジーの歴史を知る人なら「当たり前」と思えた理由

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<中国の新興企業DeepSeekの登場は従来のAIの常識を百八十度変えたが、実はこうした事態が起きるのは驚くべきことではなく、今後も第2第3のDeepSeekが現れるはずだ>
中国の新興企業ディープシークが、既存のAI(人工知能)をはるかにしのぐ低コスト化を実現したとして、テクノロジー業界や株式市場に激震が走っている。
同社の技術が本物であれば、巨額の資金と大量のコンピューター・リソースを投じなければ実現不可能とされていたAIの常識が百八十度変わる。同社には不正疑惑なども指摘されており真相は不明だが、仮に今回の技術が本物ではなかったとしても、今後、同じような事態が発生する可能性が高いことだけは間違いない。
ソフトウエアの世界は常にそうだが、天才的な技術者が全く新しいアルゴリズムを発明すれば、あっという間に既存体系は崩壊する。1990年代に普及したパソコンのソフトウエアはまさにその典型であり、それまで何十億円の費用と、巨大な設備がないと動かなかったコンピューターが机の上に載り、スマホという形で手のひらに収まるようになったのは革新的なソフトウエア技術のおかげである。
ソフトウエアというのは、技術者の頭の中で数学的に創造されるものなので物理的制約を受けない。ある日、突然、生まれた新しいアルゴリズムによって、一気に産業構造が変化するというのは、テクノロジー業界ではごく日常的なことである。
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