モンペ対応、無制限残業...教員の「ブラック労働」の改善は、日本全体の「生産性向上」の試金石に

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<教員の仕事に対する前向きな感情を引き下げているのは授業以外の業務。問題の根本原因を考えると、年収を一律に引き上げる方策は効果を発揮しない可能性が高い>
このところ教員の職場環境がブラック化しているという話題がよく取り上げられる。人材しか資源のない日本にとって教育の役割は重要であり、経済成長にも大きな影響を与えている。教員の職場環境劣化はデジタル化の遅れとも密接に関係しており、日本全体に共通した働き方の問題でもある。
かつて教員は聖職とされ、個人の生活を犠牲にしてでも、児童・生徒のために奔走するのが当たり前とされていた。しかし時代は変わり、教員も労働者の一員であり、プライベートな生活を犠牲にしない働き方が求められるようになっている。
地域社会における教員に対する接し方も変わってきた。一部の保護者は、教師をサービス業従事者と見なしており、厳しいクレームを学校や教員に対して行うケースも増加している。過剰なクレームを付ける、いわゆるモンスターペアレントというような存在は以前では考えられなかった人たちと言えるだろう。
パーソル総合研究所の調査によると、教員の多くにとって保護者対応やPTA対応、調査統計への対応など、授業以外の業務が極めて大きな負荷になっていると同時に、仕事に対する前向きな感情(ワーク・エンゲイジメント)を引き下げている。一方で、授業という教員本来の業務については、負荷はそれほど大きくなく、業務に対する満足度も高い。
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