不利な投資のはずの「金」がこれほど買われる理由の裏に、投資家が恐れる長期的リスク
確かにここ半年で金価格は顕著に上昇したが、実は2018年以降、価格は基本的に上がり続けており、見方によっては、金価格は長期的な上昇トレンドを描いていると解釈することもできる。長期的に金価格が上昇する理由はインフレしかないのだとすると、市場は長期的なインフレを強く懸念していることになる。
アメリカの中央銀行に相当するFRB(連邦準備理事会)は、複数の銀行破綻を受けて金融引き締めを一時、中断せざるを得ない状況に陥っている。リーマン・ショック以降、実施してきた大規模緩和策の影響で、市場には大量のマネーが供給されており、ここで引き締めを中断すると、滞留したマネーがインフレとして顕在化する可能性が否定できない。
金の価格上昇が深刻なインフレ懸念なのだとすると、ドルに対してさらに価値を下げている日本円にとってこれほどやっかいな事態はない。
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