2025年の世界を「枠」を外して考えてみると......
その時は、韓国だけでなく北朝鮮もガバナンスを失うことになる。中国は、韓国にいる米軍との緩衝地帯である北朝鮮を確保するため、軍を出すかもしれない。その時米軍は、いやトランプはどう動くだろう。
そして、このトランプこそ、世界の枠組みをひっくり返すポテンシャルを持っている。しかし「トランプは世界を乱暴にひっくり返す」という思い込みが実は古く、「トランプは意外とまともだ」ということになったら、われわれの思考の枠組みは逆の方向からひっくり返る。
今回の大統領選からトランプは、以前の極右やマッチョ思想に訴えかける姿勢を抑え、米国民全体に呼びかけるアプローチを取っている。それは、対抗馬のカマラ・ハリスがマイノリティー出身であることを逆手に取った、巧妙なものだ。
プーチンは「院政」に入るかも
あまり注目されないが、この選挙戦を取り仕切ったスージー・ワイルズが、新政権では大統領首席補佐官に納まる。マイク・ウォルツ安全保障問題担当補佐官ら「まともな」人材も使い、政策全般を調整していくことは、今後のアメリカ、そして世界にとって意味深だ。
例えば欧州方面ではウクライナ停戦が一応成立するだろう。そこではNATO、ロシアとも今後の拡張を自制することを約束し、停戦を保障する平和維持軍の展開でも合意する。ロシアではプーチンが「勝利」を宣言して辞任し、「国家評議会」の長に納まる。次の大統領は、12月に訪中して習近平(シー・チンピン)国家主席とも会談したメドベージェフ前大統領あたりになるだろうが、国の大枠はプーチンが握り続ける。
このように「頭の体操」をしてみると、日本にとって世界の大枠は変わらないにしても、朝鮮半島から吹き込む隙間風が随分強くなってきたなと感じる。高句麗、新羅、唐が三つどもえの勢力争いを繰り広げた7世紀あたりに、われわれのマインドを設定しないといけないのだろうか。
【関連記事】
来年に向けて日本人の一番の薬は「マゾ的思考」をやめること
「またトラ」でウクライナ停戦が成立すれば、北朝鮮兵が平和維持軍に?

アマゾンに飛びます
2025年4月15日号(4月8日発売)は「トランプ関税大戦争」特集。同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか?
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
グリーンランドを地上げするトランプ、その真意は? 2025.04.08
領土は売買できるもの――「トランプ新世」の価値観に対応せよ 2025.03.28
アメリカの対中優位は揺るがないのか......「旧友」ジョセフ・ナイ教授との議論 2025.03.15
ウクライナ停戦は世界のパラダイムシフトを引き起こすのか 2025.02.28
日本でも世界でも、公共事業で整備された近代インフラは老朽化でもう限界 2025.02.14
ゼレンスキー主演『国民の僕』あらすじから占う、2025年ウクライナ情勢と停戦後の命運 2025.02.01
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
リモート中心/SNS企画立案 運用担当 外資企業の案件・プライム上場/連続増収/大規模案件多数
トランス・コスモス株式会社~プライム市場上場企業~
- 東京都
- 年収360万円~620万円
- 正社員
-
在宅可/BtoBイベントディレクター マーケティング支援/外資系大手IT企業/年休125日
株式会社エムエム総研
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
東京駅直結/外資系企業での受付秘書 英語力を生かす/土日祝休み/年休125日以上
株式会社イースト
- 東京都
- 年収350万円~390万円
- 正社員