コラム

「またトラ」でウクライナ停戦が成立すれば、北朝鮮兵が平和維持軍に?

2024年11月12日(火)16時00分

ロシアのプーチン大統領は、トランプの再登場に合わせるかのようにシグナルを送った。11月5日にクレムリンで新任の大使ら28人から信任状の奉呈を受けた際、「ロシアは西側と対決することを望んでいるわけではない。可能な分野では協力を続けていきたい」というようなことを述べている。28人の中には、12人もの「非友好国」(ロシア制裁に加わった諸国)の大使らも居並んでいた。

米一極支配は、世界の諸方にしわ寄せを生む。国内ではトランプに擦り寄る有象無象が汚い利権合戦を繰り広げるだろう。しかし最大のリスクは、放漫財政が金利の上昇と不良債権の増大を招き、金融恐慌を起こすことだ。それで世界に展開した米軍の維持ができなくなれば、軍が崩壊して短期間で消滅した西ローマ帝国の事例がよみがえる。


好事魔多し。トランプには勝ってかぶとの緒を締めてもらいたい。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

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