自称「大国ロシア」の没落が変える地政学──中国の見限りと寝返りが与える影響
ユーラシアに登場したライバル
加えてこの頃は、経済力を付けたトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領も、カフカス(コーカサス)と中央アジアはオスマン帝国の故地とばかり、政治・経済・軍事面で関与を強めている。
彼は、2020年秋のアルメニア・アゼルバイジャン間の戦争で、同族のアゼルバイジャンに肩入れし、後者をほぼ全面的に勝利させている。今や両国間の調停は、ロシアの独壇場ではなくなった。
アゼルバイジャンは9月13日にも、アルメニアとの休戦地域で攻勢に出て、200人以上の戦死者を双方に出している。この地域にはロシアの平和維持軍も駐留しているはずなのだが。
トルコは、ウクライナ・ロシア間でも調停役を買って出ているし、SCOへは本格的な関与を強め(まだ正式加盟国ではない)、「ユーラシア国際政治の正式会員」的な地位を固めている。
プーチンは7月中旬、イランの首都テヘランに飛び、イラン、トルコとの三者首脳会談を演出してみせた。「見ろ。ロシアにはこういう有力な国が付いているのだぞ」と言いたかったのだろう。
しかしそのイランにとっては、アメリカとの核合意復活のほうがはるかに大事で、それに成功すればイランの原油・天然ガスが世界市場に大量に出回る(すると、価格は下がってロシアはひどい目に遭う)。
テヘランでプーチンはトルコのエルドアン大統領との二者会談もアレンジしたが、いつもは会談相手を待たせることで有名なプーチンが、今度はエルドアンに待たされて、もじもじするさまを世界中にテレビ放送された。ここまでロシアの立場は低下している。
■【動画】カメラの前で1分近くも手持ち無沙汰で待たされて、もじもじするプーチン
アメリカはこれまで、ユーラシアの内陸部には真剣な関与をしてこなかったが──カザフスタンの原油以外にめぼしい利権はないし、軍事物資はこの内陸に運び込みにくい──、8月中旬にはタジキスタンで行われた共同軍事演習に、100人弱の人員と装甲車、攻撃ヘリコプターなどの装備で参加している。
恐らく、昨年アフガニスタンから撤退した時、重装備の一部をタジキスタンに預けておいたのだろう。
タジキスタンには以前から、ロシア軍1個師団が常駐してアフガニスタン方面からの脅威に備えている。この共同演習にウズベキスタン、カザフスタン、キルギスの中央アジア諸国は参加しているが、ロシアと中国は呼ばれていない。
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