自称「大国ロシア」の没落が変える地政学──中国の見限りと寝返りが与える影響

例えばアフガニスタンのタリバン暫定政権は、アメリカに凍結された前政権の資金を取り戻すためにアメリカとの関係打開を至上の課題とし、ロシアとの関係は放置している。
湾岸諸国やイスラエルは、数年前までは、アメリカの関与を引き出すためか、ロシアとの関係をことさら緊密にしてみせていたが、バイデン米政権がこれらの国への関与を減らすと、ロシアとの間のやりとりもめっきり減らしている。
ロシアはエネルギー部門を除いて途上国に投資をする能力がなく、西側から先端半導体を入手できなくなって以降は兵器の水準も低下する一方である。だからロシアは、権威主義・非民主主義諸国が、アメリカに政権を転覆されないよう、玄関に貼っておく護符以上の意味がない。
しかもロシアと国境を接する国々にとって、ロシアはいつ攻めてくるか分からない、怖い存在になっている。その恐怖を感じているのはベラルーシ(既にロシア軍の常駐を実質的に許しているが)、ジョージア(グルジア)、アゼルバイジャン、カザフスタンなど多数ある。
ロシアと約7600キロもの長大な国境を有するカザフスタンは、ウクライナ戦争でロシアの肩を持たないとして、ロシアのマスコミ・識者から「総口撃」を受けている。
カザフスタンは、前記の3月の国連総会決議で棄権した上(ロシアにしてみれば反対してほしかった)、西側のロシア制裁に実質的に加担する姿勢を示しているからだが、これはほかの中央アジア諸国も似たり寄ったり。
これらの国にしてみれば、旧ソ連の仲間であるウクライナに斬り付けたロシアが、目を血走らせながらあまり切れないナイフを持って、そこらを徘徊しているのを見ているような気分だろう。
広いユーラシア大陸で、ロシアは長らく大きな顔をしてきた。しかし、長い歴史の中でそんなことはほんの一瞬。古来、この遮るもののない広原では、さまざまの勢力が入り乱れて興亡を繰り返してきた。
1991年のソ連崩壊後、中国が急成長して「一帯一路」を標榜。その資金力で多くの国をなびかせた(心服はさせていない)。この頃では、中国は民間の警備会社を先頭に立て、中央アジア地域に安全保障面で何か役に立てることはないかと聞き回っている。
9月14日、習近平(シー・チンピン)国家主席はカザフスタンを公式訪問した。15日からウズベキスタンで開かれるSCO首脳会議に出席する途上であったが、ロシアにしてみれば、カザフスタンに手出しをしにくくなる。
中国の経済力が、中央アジアでは大きな政治力として目に見えるようになった転機であった。中央アジアでの政治・安全保障問題はこれまで、ロシアの独壇場だったのだが。
高市新総裁をいきなり襲う国内外の暴風雨 2025.10.18
軍事パレードの陰で進む金融危機──中国が直面する二つの試練 2025.09.10
トランプが復活させたアメリカの「ルーズベルト流」帝国主義 2025.08.30
チャットGPTに日本のポピュリズムについて聞いてみた! 2025.07.26
バンス米副大統領が信奉する新思想、「ポストリベラリズム」の正体 2025.07.11
トランプ肝いりの「ステーブルコイン」でドル急落? 2025.07.01
人口減少の日本が取り入れたい、デンマーク式「財団企業」の賢い経営 2025.06.14
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
外資系大手グループの「経理職」/年休126日/産休復帰率100%
エフシーアイジャパン株式会社
- 東京都
- 年収550万円~
- 正社員
-
外資系不動産賃貸仲介急募/英語スキル/日比谷ミッドタウンで勤務/稼げる環境充実した休暇体制/経験者積極採用です
H2 Group株式会社
- 東京都
- 月給23万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/web系SE・PG/東京都
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員






