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日常を取り戻したい人々を尻目に、インテリ作家は雲の上で自粛中
私はまったく思っていない。資本主義とは日常の生活である。感染症リスクよりもむしろ、私にとって身近に迫っているのは、経済的な危機、生活の危機のほうだ。友人は数百万円単位の仕事を失い、あるカメラマンは「もう90%減ですね」とからっとした口調で言う。
私はと言えば仕事のキャンセルがいくつかあったくらいで、まだマシなほうだが、家にいるばかりではいよいよどうにもならなくなってきた。
私が記憶したいのは、ジョルダーノのような売れっ子文化人の「悠長」な態度のほうだ。
抽象的かつ悲愴感漂う言葉を並べて「ポストコロナが云々」と語り何かを考えた気になるくらいなら、減ってしまった仕事を少しでも取り戻したい。この異常な緊急事態のほうが人間に優しくないのだから、さっさと終われるものは終わり、合理的な感染症対策を施しながらの日常に戻っていきたいと思う。
日常に戻るというのは、今までどおりの経済システムが回るようになってほしいということに尽きるのだから。
<本誌2020年6月2日号掲載>
2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」
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