ビットコインはこうしてビットコインになった......消えた創設者、チェーン上の埋蔵金、意志を継ぐ者たち
ビットコインの有用性
国際送金や海外での銀行サービスに苦しめられた経験のある方は以下の利点を容易に想像できるのではないだろうか。
・マイニングされたビットコインはビットコインブロックチェーン上で、所有者が望む形で(ビットコインブロックチェーンが崩壊しない限り)政府や銀行にも止められずに自由に送金(≒所有権の移転)が可能
・ビットコインの所有権の移転は、ブロックチェーン上に記録されているデータの編集という形で行われるので、送り手と受け手の存在位置や送金額によって手間やコストが変わることはない(厳密には手数料はやり取りするデータの総量によって変動する)
・ゴールドや現金と違って専用のソフトウェアを使えば誰でも簡単に真贋判定ができる
ビットコインの技術的な詳細はアンドレアス・M・アントノプロス著『ビットコインとブロックチェーン』(邦訳・NTT出版)が定番で、一般向けではないもののビットコインの概要について過不足なく説明されている。
ビットコインが犯罪に使用される際の予防策やプライバシーの実態、暗号通貨ユーザーの法定通貨価値の軽視などに疑問を持っている方もおられると思うが、本筋を外れてしまうのでここでは深堀しない。
次回はビットコインそのものではなく、ビットコイン周辺のエコシステムを構成する取引所や決済サービス、カストディサービスの現状を俯瞰していきたい。

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2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影
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この筆者のコラム
トランプも無視できない存在に成長した、暗号通貨の「現在地」を知る意味 2019.07.26