ビットコインはこうしてビットコインになった......消えた創設者、チェーン上の埋蔵金、意志を継ぐ者たち
ビットコインの開発
ビットコインの開発は有志によって行われており、決定的な権限を持つ主体は存在しない。
・ビットコインはSatoshi Nakamotoによって発案された
・それ以降はNakamotoを含む有志によって開発され、途中でNakamotoは姿を消した
・現在はビットコイン関連企業に所属しながら、ビットコインの開発に関わる開発者もいる(Linux等のオープンソースプロジェクトと同じ)
・マスターブランチへのコードのマージ(提案されたコードの統合)を管理する人物は複数存在するが、彼らは特別な決定権を持つリーダーではない
ビットコインの発行
ビットコインの最も分かりづらい点は「どこでどのように発行され、誰にどのようなルールで分配されるのか。ビットコインを支配するグループや企業がいないのに、どうやってコントロールしているのか?」という部分ではないだろうか。
・ビットコインは10分毎に一定量が新規で採掘されるが、採掘できるのはそのための計算競争に勝った1人のマイナーで、そのマイナーに新規発行量の全てが配布される
・マイニングには誰でも参加することができるが、競争が激化した現在ではマイニング専用のハードウェアと安い電気代に加えて、マイニング独自のノウハウが必要なためマイニング拠点は電気代や空調代の安い中国や北欧に集中している
・所有している計算量が多ければ多いほど、新規発行ビットコインを手に入れられる確率が上昇する
・マイニングは経済的インセンティブを与えることでビットコインブロックチェーンをセキュアにする仕組み(ここでのセキュリティはコードのバグを突く攻撃に対してではなく、ルールに従った正面からの攻撃に対して)
・ビットコインの獲得には大量のマイニングハードウェアと電気代、マイニングファームのノウハウが必要であり、無から価値を作り出しているわけではない
ビットコインの資産性
ビットコインの利点として恣意的な価値の希釈が起きづらい点が挙げられる。しかし、「これだけ価格が変動しておいて、何が価値の保存なのか」「そもそも株と違って価値の裏付けがないし、法定通貨と違って納税にも使えないではないか」と思う方も多いだろう。
・ビットコインには発行上限があり、2100万以上のビットコインは採掘されない(この点でゴールドになぞらえられることがある)
・発行上限の存在はインフレによる通貨価値の希釈を回避する手段となり得る
・ビットコインで納税はできないので、納税用途での価値の裏付けはない
この筆者のコラム
トランプも無視できない存在に成長した、暗号通貨の「現在地」を知る意味 2019.07.26