カナダ首相、減税と防衛費増加を公約 対米依存減らす経済秩序を

4月19日、カナダのカーニー首相(写真)は下院解散に伴う総選挙に向けて公約を発表した。写真は18日、オンタリオ州ナイアガラフォールズで撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio)
[トロント 19日 ロイター] - カナダのカーニー首相は19日、下院解散に伴う総選挙に向けて公約を発表した。米国への依存度を下げる新たな経済秩序の構築に向け、減税とインフラ・防衛支出の拡大を打ち出した。
与党自由党党首のカーニー氏は、過去にカナダ中央銀行およびイングランド銀行(英中央銀行)総裁として経済危機を乗り切った実績を強調して選挙戦を展開。カナダを併合すると脅して高関税を課すトランプ米大統領に立ち向かうには、自身が最適のリーダーだとしばしば訴えている。
カーニー氏は記者会見で、無駄な支出を削減する一方で「大胆な政策によって経済への投資を促し、わが国が持つ素晴らしいチャンスを活用する必要がある」と述べた。
また、スリムな政府を目指すと約束してトルドー前首相との違いを強調。連邦政府財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を2025―26年度に1.96%、翌年度に1.83%とし、28―29年度には1.35%に縮小する計画を示した。
トルドー前政権下の24―25年度には、財政赤字の対GDP比実績見込みが1.6%だった。
カーニー氏は、政府の歳出はこれまで毎年9%前後増えてきたが、地方や個人への交付を減らさずにこの率を2%前後に下げると述べた。
また防衛費を増やし、対国内総生産(GDP)比率を北大西洋条約機構(NATO)の目標値2%よりも大きくすると表明。「考え方を同じくする」欧州の同盟諸国との安全保障協力に投資すると語った。